自己PRに時間がかかる?
記事を読んでいただきありがとうございます。就職活動は現在山場を迎えています。エントリーシートに志望動機や自己PRを記入する際に四苦八苦することは多いことと思います。当記事筆者である山崎も、就活生当時は自己肯定感の低さからか自己PR欄をなかなか埋めることができませんでした。「自分にはアピールポイントなんてないんだ」という風に思ってしまっていたせいで、なかなか「良いところ」を見つけることができませんでした。ラクジョブ新聞をご覧になっている方の中にも、そうした悩みをお持ちになっている方々はいらっしゃるのではないでしょうか。今回はそんな方々に向けて、「自己PR欄を書くときの心構え」について書きたいと思います。
内容はそんなに重要じゃない?
まず自己PRというものそのものに焦点を当てて考える必要があるでしょう。どういうことかというと、「果たして採用側は自己PRでどこを見ているのか」ということです。少し古いニュースになりますが、朝日新聞デジタルで「覚えてきたPR、採用者うんざり」という記事があり、大手電機メーカーの採用担当の方のインタビューが乗っています。参考になるのでは無いでしょうか。
https://www.asahi.com/articles/ASH2363LQH23UEHF01L.html
(引用開始)
――ちゃんとしている学生とは
「『自分の言葉』で話せる学生です。ビジネスをやっていく覚悟が出来ているというか、これを仕事にしたいということを話せる学生は非常に高く評価します」
――では、うまく話せない学生はどうすればいいか
「これまで自分が取り組んできたことが会社や社会にどう役立つかを、相手に伝わるように話せるなら、『知識はないかもしれないが、会社に入ってから勉強してくれればいいよ』とこちらも判断することがある。つまり、『社内になぜ採ったかを説明できる学生』ならいいのです」
――二つ目のアドバイスを
「学業について、もう少し語れるようになって欲しい。アルバイトや部活で頑張るのもいいが、『ちゃんと勉強もしよう』と言いたい(笑)。せめて、ゼミのことは語れるようであってほしい。最近は、どの企業でも学業結果を重視する傾向がでてきている。学生がエントリーシートを提出する段階で、学業成績を申告させる企業もあるようです」
――部活やサークルに打ち込み、成績が芳しくないというのは?
「『勉強はやっていませんが、部活に打ち込んだので、会社でこんなに役に立つと思います』というのも、実は有りです。学業で『優』がほとんどなくて、『可』ばかりでも、説明できる納得性があればいいと思います」
――三つ目のアドバイスは
「機械のように志望動機を語るというか、用意していたものを淡々と語る学生がいる。覚えてきているのを話しているような。それはやめてもらいたい。自分の言葉で話せていないということは、うそも含まれている、作っているのではないかと感じてしまう。自分を立派に見せなくて良いので、自分の言葉で正直に、ありのままを話すようにした方がむしろ評価できます」
(引用終わり)
あくまでも一般的な就職活動の場合は上記のような要因が重要視されるということです。さて、注目したいのは「社内になぜとったかを説明できる学生」という言葉と、「自分の言葉で話せている学生か」という箇所です。要するにこの人の人柄や情熱は自分の会社にマッチするかです。過去の実績を細かく分析し、行動様式を分析していくコンピテンシー採用で学生を選ぶ企業もありますが、その時でも「自分の言葉で話せているかどうか」ということが非常に重要です。「自分の言葉で」というのは自分の知識や体験から、本音で自分をPRしているかということろです。用意してきた自己PRなどは簡単にボロが出てしまう可能性があります。これはゲーム業界に応募するときに必要な心構えについて平田が書いた記事ですが、参考になると思いますので合わせてごらんください。
この記事の中でも書かれてありますが、「本音をぶつけること」がとても大事なのです。嘘ばかりの自己PRや志望動機に採用担当者はうんざりしています。特にクリエイター業界は「本当に熱意があるのか」、「ゲーム開発、アニメ制作というきつい仕事をできるだけのガッツがあるのか」ということについて知りたいのです。本音でその会社に応募し、面接をするのであればそれに伴った行動ができているはずです。ですから、自己PRを考える以前に、本当にその企業に行きたいのかについて考え、その上で本音で志望動機を書き、本音で自己PRを書かなければその他の学生と同じように映ってしまうでしょう。
決めつけると本当に見つからない
情熱を見いだすことができたら、今度はそれを裏付ける何かを見つけなければなりません。アニメ制作会社で制作進行やゲーム開発会社のプランナー職に未経験、もしくは新卒で受けたい人などは見つけるのに苦労するかと思います。アニメゲームマンガ遊技機志望で特に開発経験が無いという場合は、どれだけアニメゲームマンガ遊技機が好きで、どれだけアニメゲームマンガ遊技機のビジネスに関心があるかを数値などに落とし込んで伝える必要があります。自分のスマートフォンに入っているアプリ数だったり、持っている漫画の数や最近の漫画ビジネスの動向と絡めてこういうことに役に立てるのでは無いかと伝えたり、アニメの制作進行の書籍を読み漁り、アニメ制作に対する知識と興味がものすごいのだということをアピールすることができれば、画力やデザイン能力がなくても選考が進む場合があります。IT企業色が強く、普通の就職活動のような選考をすすめる企業であれば、就職活動中に調べたことを勉強の成果としてアピールすることも可能です。会社の情報を調べ尽くし、業界の動向と絡めて、では自分がどういうことができそうかということを、例文集などを見ずに書いてみる、考えてみることです。「無い」と決めつけてしまうと、「自己PRするところなんて無いのだ」という自分のイメージにロックオンされてしまい、せっかく好きな分野で働きたいという思いも消えてしまいます。
嘘はいけません
具体的な数値や行動を尋ねられたり踏み込まれたりする採用の場合、嘘をついていると必ずほころびが出てきます。特に志望動機と自己PRというところは履歴書ベースでいくらでも膨らませることができますから、つい内定の二文字を追いかけ気味になってしまい誇張してしまう人もいるでしょう。しかし、凄いことを書くよりかは、自分がこの業界に対してどのようなことを感じ、なぜこの企業に入りたかったのかということを本音で語る方が採用側としては判断基準になり、面接を進める上でも嬉しいのです。つかみどころの無い人と面接をするよりも、「面白い人だ」とか「凄い熱意だな」と良い印象を採用者の記憶に焼き付ける必要があるのです。開けっぴろげに「給料で選びました」といきなりいい放ってしまうのはNGとしたいところですが、それ以外のところで「会社になぜ採用したのか」ということが説明できるようなことを採用担当者に伝えることがいいわけです。「嘘ついていたけどそれ以外は良いやつだったから採用」とは絶対になら無いので、正直な気持ちで選考に望むことが一番おすすめです。自己PRもそうした気持ちで書けば、自ずとネタが見えてくるようになります。