本日、4月19日の日本経済新聞に、政府がコンピューターのプログラミング学習に関して、小中学校で2020年から段階的に必修化する方針を固めたとの記事が掲載されました。今回は、このゲーム業界の現状とこの動きによる影響、この動きをどう生かすかについてです。
プログラミング、小中学校で20年から必修化 政府方針
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDF18H1P_Y6A410C1PP8000/
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政府はコンピューターのプログラミング学習を小中学校で2020年から段階的に必修にする方針を固めた。人工知能(AI)などの普及を見据え、新しい技術を使いこなして付加価値の高い仕事につく人材を増やす狙いだ。
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ゲーム業界の現状、プログラマーは不足している?
以前、ゲーム業界はなぜ人材不足になっているのかに関して、業界の方から質問があったため以下のような記事を書かせていただきました。
ゲームプログラマーはなぜ増えない?ゲーム業界への就職、転職を考えている人向け、抑えておかないといけない点
簡単に結論を言ってしまえば、ゲーム性を理解したプログラミングをできるプログラマーが少ないということです。平成22年の国勢調査でソフトウェア開発を行っているプログラマーは323570人という結果が出ていますが、面白いゲームを理解したプログラマーというのはほんの一握りでしょう。
そんな現状の中、今回の政府の方針はゲーム業界にとって大きな追い風になることは間違いないでしょう。政府としては、AI(人工知能)のための技術発展やそのような技術を持った人材を育成することが目的ですが、ゲーム業界にとって、AIとは切っても切れない関係です。以前より、一人プレイでの対戦でコンピューターが使用されることがありましたが、最近では、「ポケモンコマスター」のようなAIのアシストを使ったボードゲームがリリースされるなどその範囲は拡大傾向にあります。そのため、今回の必修化のカリキュラムの中にはAIに関してのプログラムも導入される可能性がありまし、プログラミングでゲームに触れるというケースが増えることでしょう。
ゲーム業界としてできること
ゲームと一口に言っても、さまざまなハードを使ったゲームが存在します。家庭用ゲーム機のみならず、スマートフォンやタブレットを使ったネイティブアプリやソーシャルゲーム、PCを使ったブラウザゲームやオンラインゲームと、昔に比べればゲームをプレイする機会はかなり増加しています。もしこのような状況で、幼少期のうちに、ゲームがプログラミングによって動いているということを知り、興味を持ってもらえるのであればゲームプログラマーを目指す人材は増えるでしょう。
2020年に小中学校でプログラミングが順次必修化されますが、それまでに業界としてこの問題を解決する方法は他にないのでしょうか。実は、ほんの数ヶ月前に、こんな取り組みをしている企業がありました。
ゲームクリエイターを目指す子供向けの奨学金制度スタート
https://www.famitsu.com/news/201603/08100940.html
こちらのプロジェクト自体の応募はすでに閉まってしまいましたが、小学生からゲームプログラミングに興味を持ってもらう取り組みとしてはとてもいいものではないかと感じています。そしてこちらの記事の一部に保護者に関する「就かせたい職業」に関しても書かれておりました。
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株式会社クラレの調査によると、小学生の「将来就きたい職業」ランキングで「ゲームクリエイター」は4位にランクインしており、ゲーム開発者は多くの子どもにとって憧れの職業の一つとなっております。一方、小学生の保護者が子どもに「就かせたい職業」として「エンジニア」が2位にランクインするなど、親子ともにゲーム・IT業界への関心が高いことが分かります 。
引用終わり
以上のように、小学生が将来なりたい職業でゲームクリエイターが4位、保護者も「エンジニア」等のゲームやIT業界につかせたい人が2位という結果も出ています。このように親子共にプログラミング関連での就職というニーズは増加傾向となっています。このような活動が活性化していけば将来的にはゲームプログラマーの人材不足というのは解消され、より面白いゲームが世の中に生まれてくるのではないでしょうか。