記事を読んでいただき有り難うございます。今回の記事では、パソコンの出荷台数についてのニュースを取り上げます。コンテンツ産業が一番何に影響を受けているかといえば、情報通信技術の進歩でしょう。スマートフォン無くして現在のスマホゲーム市場はありえませんし、インターネットの技術無くして、オンラインゲームはありえません。今回の記事では、ゲームを支えるハードウェアについての話題を取り上げます。みなさんのご参考になれば幸いです。
2015年は、パソコンの出荷台数が最低基準であったと言われています。アメリカIDCの調査によれば、2015年のパソコン出荷台数は2億7620万台であり、前年比10.4%減少しています。年間出荷台数が3億台を下回ったのは2008年以来初めての事であると言われています。日本国内でも、同様の傾向があります。MM総研の調査によれば、2015年度のパソコンの出荷台数は10165万台であり、前年比の31.9%減でした。出荷金額は26.6%減の8738億円でした。
例年には無いほどパソコンの売れなかった昨年ですが、なぜこんな事になったのでしょうか。IDCは、パソコンが売れなかった要因をいくつか発表しています。1つには、買い換え周期が長期化しており、新しい需要が喚起されにくいこと。もう一つは、スマホやタブレット端末が高機能化しており、ユーザーを奪われていることです。外部的な要因としては、中東やアフリカにおける社会混乱により原材料費が高騰したことや、各国の通貨安による輸入の不振をあげて居ます。
外部的な要因はさておき、前二者の要因は、パソコン市場自体が成熟してきたという事を意味しています。
特にスマートフォンやタブレットにユーザーを奪われているという事は注目に値します。確かに、最近のスマートフォンは性能が高く、日常的な用途であれば殆ど事足ります。タブレットも液晶のサイズが大きくなり軽量化が図られ、ノートパソコンのように使えるモデルも登場してきています(私自身もラクジョブ新聞の記事をiPadにキーボードを接続し書いていますが、何の支障もありません。殆どの仕事がiPadで事足ります。)Windows95が登場してからおよそ20年が経過しましたが、パソコンというハードウェア自体が全盛期を終えているのかもしれません。
新技術によるイノベーションがおこり、新しい経済の波が作り出されるのには数十年がかかると言われていますが、その周期がもっとも短いスパンで訪れるのがIT業界です。今回のニュースも、新しい動きにつながる予兆として読み取ることが出来ます。
ハードの進歩→その中での試行錯誤という過程を繰り返しているゲーム
多根清史さんという方の「教養としてのゲーム史」という本があります。この本には、ファミコンの以前の時代からゲームがどんな発展をしてきたのかが書かれています。この本によれば、ゲームはいつもゲームをささえるハードウェアや技術の変化→その土台の中でのクリエイターの試行錯誤という過程を繰り返してきました。つまり、技術やハードが先で、ゲームの内容は後から発展すると言う事です。
現在はパソコンが曲がり道を迎えた一方で、VRという全く新しい技術も注目を集めています。まったく新しい土台の上で、どんな試行錯誤がされるのでしょうか。スーパーマリオで「ジャンプ」という新アクションが生まれたように、初期に新しいシステムを作った人こそ、ゲームの歴史を変えます。今はゲームクリエイターにとって試行錯誤のし時、そんな時代なのかもしれません。2016、17年の展開がますます楽しみです。