先日とある乙女ゲームのパブリッシャーの社長さんから欧州、ヨーロッパ、ドイツ、フランスへゲームを展開している、今後も積極的に展開していきたいという話を聞きまいた。今回は、ヨーロッパ圏へのゲームパブリッシングについて考えてみたいと思います。
先日、別の記事でも取り上げましたが(https://raku-job.jp/news/companyrep/16068/)、マリオ、ゼルダ、FF、ドラクエ、MGSなど日本を代表するゲームの数々があることから、日本が世界のゲームの最先端だと思っている人も多いかとは思いますが、日本のゲーム市場1兆円は、世界のゲーム市場10兆円と比べると1/10程度でしかありません。国別に見ても中国、アメリカが日本の2倍程度の市場規模を持っています。大局的に見て、日本に通用するゲームよりも世界に通用するゲームを作る方がビジネスチャンスも広がります。
例えば、PS4は、世界で約3600万台を販売するヒットとなっていますが、日本での販売台数は約250万台にとどまっています。さらにPlayStation®VRの2016年10月発売も告知されており、PS4の世界販売台数は2016年年内に5300万台に上るとの予想もされています。また、コンシューマーゲームのみならず、国内4000万DLを記録しているパズドラも、香港・台湾で200万DL、韓国で200万DL、北米(アメリカ・カナダ)で900万DLを記録しており、日本をはじめとした33の国と地域へ配信が進んでいます。
ドイツ、フランス、ヨーロッパへの展開の可能性
世界といった時に、アメリカや中国、東南アジア、インドなどを想定される会社は多いかと思いますが、ドイツ、フランスにまでリーチが想定されることは多くありません。先ほども書いたように、中国とアメリカを合わせただけでも日本の4倍の市場があり、そこでの戦略を練り込めるだけでも十分な効果が見込めます。しかし、多くの会社が目を付けているからこそ、中国、アメリカ、東南アジア、インド以外に地域にどれだけリーチを広げられるかが今後の勝負の分かれ目になります。
では、なぜドイツ、フランスなどヨーロッパ圏への進出のはいくつかのハードルがあります。2014年8月に開催された,「JETROゲームビジネス海外展開セミナー:海外の主要ゲーム市場の現状と日本企業の展開事例」というセミナーの発表内容によると、2014年のゲーム市場規模予測では,欧州主要国におけるゲーム産業の総収入を合計すると,日本にほぼ匹敵する数字になり、売上では,ドイツ,イギリス,フランスがそのうち約6割を占めるとのことが伝えられています。マーケット的に考えても旨味が少ないです。
また、国ごとに言語や文化的背景が異なり,好まれるコンテンツは違ってくるため,欧州とひとくくりにすることもできません。ドイツ、フランス、イギリス、それ以外の国々に合わせる必要があります。そこのローカライズ、カルチャライズの仕組みをいかに仕込めるかがカギになります。
乙女ゲームはヨーロッパで売れるのか
そんな中で、今回お話を伺ったゲームパブリッシャーさんの方では実際に乙女ゲームをヨーロッパ圏でリリースされたということです。もちろん、売上は日本と比べるまでもありませんが、やり方次第ではビジネスチャンスの可能性を感じられたと言っていました。そちらの会社さんでは今もヨーロッパへの女性向けコンテンツの本格進出を進めています。ここではお話できませんが、ローカライズやカルチャライズについての施策も聞かせていただきました。
少なくともゲーム会社の中には、それだけ海外に軸足を置いたゲーム展開を考える会社も増えています。大局的に見れば、日本という市場でも、AppleやGoogleがスマホゲームの売上の30%を得ていますし、アニメ分野においても、Hulu
やNetflixなどの海外定額動画視聴サービスが手を広げています。日本で日本のゲーム、アニメを作ることも大切ですが、世界に対して、日本のゲーム、アニメが立ち位置を確立することも大切ですし、それは海外企業の手によってでなく、日本の企業の力によって為されていいことではないでしょうか。
弊社ビ・ハイアとお付き合いのある会社様からも海外展開についての相談をよくいただきます。もし海外にアニメ、ゲーム、漫画を打ち出したいという会社がありましたら、ぜひご相談ください。アニメゲーム漫画業界の発展のために情報提供や協力会社の紹介をさせていただきます。ぜひ世界に誇る日本のアニメゲーム漫画文化が実地で実践されていくように微力を尽くさせていただきます。