今回は、ゲーム業界内で転職を考えている方、他業界からゲーム業界への転職を考えている方へ向けて、「果たしてゲーム業界が何歳まで転職を受け入れるのか」について考えてみたいと思います。
他業界からゲーム業界へ転職する場合
ゲーム業界というと、「クリエイティブ」「実力勝負」と思われがちですが、だからこそ年齢を気にする会社も多くあります。他業界からゲーム業界への転職も原則的に言ってしまえば、「若い方がいい」というのが実際です。
考えてみればわかるかもしれませんが、20代前後の新卒と30代前後の中途未経験であれば、若さの分だけ新卒に可能性があります。伸びしろと言っても構いません。新卒からゲーム業界に入ったプログラマー、デザイナーであれば、10年くらい経って、30代前後になって、実務経験も10年近く重ねれば、そのときの30代前後未経験と比べて、どちらが魅力的かはすぐにわかることかと思います。
また、現場のマネジメントの側面からも自分より年下の未経験者を1から指導するのは、年下上司と年上新人の両者にとってストレスになる可能性が高いことは想像に難しくないでしょう。
もちろん30代前後の業界未経験者でも採用の例はいくらでもあります。前職での業務内容がプログラミングやデザイン関連であれば、ゲーム業界での職歴がなくても採用されます。一度社会に出た後に専門学校に通い直してスキルを身につけた方、仕事をしながらも独学でゲーム開発スキルを身につける方もいます。ただ、新卒と同スキルの方の場合、新卒が採用されやすいということはご理解いただければと思います。
ゲーム業界内で転職する場合
ゲーム業界内で転職する場合には、比較的高い年齢の方でも転職可能です。例えば、40代の方の転職もよく耳にします。50代以上になると正社員としての採用は少なくなります。ゲーム業界に強い派遣会社やフリーランスとして、プロジェクトごと、期間ごとに契約という例が多いです。ただ、ゲーム業界でしっかりとスキルを積み上げてきた人であれば、正社員よりもフリーランス腕一本で仕事した方が年収も高くなることも多いです。
正社員での転職を考えるのであれば、30代後半ぐらいを目途に考えた方が現実的かと思います。40代でも探せば見つかりますが、探すのにも苦労がいりますし、人気企業になると、30代前半ぐらいで十分腕のいいクリエイターもたくさん応募してくるため、競争率も激しくなります。
また、ゲーム会社の中でも、スマホゲームをメインにしているようなベンチャー企業は社長も30代ということも少なくありません。社長よりも年上の現場社員となると流石に雇いにくいという声も聞きます。ベンチャーの場合は実力のある経験者よりも新卒で志を共にできるような熱い人を採用する傾向も強くなります。Unityの習得を始め、スマホゲーム開発そのもののハードルも下がりつつあり、新卒を積極的に採用するベンチャー発のパブリッシャーも増えています。
ゲームパブリッシャーはゲーム会社を買収する
採用とは直接的に関係ある話ではないですが、ゲームパブリッシャーは実力のある会社、コンシューマーゲーム開発実績のあるような会社を買収する傾向があります。ゲームパブリッシャーがそれ自身としてゲーム開発の実力を積み上げるのはもちろんですが、一方でスマホのデバイスとしての進化から、ゲームとしてできることの範囲も格段に広くなっています。パブリッシャー同士の競争の中で、ゲーム開発の技術力に関してはどうしてもキャッチアップし切れない部分が出てきています。そこで、採用ではなく、実力のあるチーム、会社ごと自分たちの中に入れてしまおうという発想です。もちろんチームとしての開発力を活かすためにも、開発に口を出すことは少ないので、買収された側の会社からも不自由さを嘆く声を聞くことはあまりありません。
また、その関係では言えば、ゲームパブリッシャーにコンシューマーゲーム開発経験者が増えているという現象も起こっています。ゲーム性の部分に関してはコンシューマーゲーム開発経験者の方が技術、ノウハウを持っており、スマホゲームユーザーも単なるポチポチゲーではなく、ゲーム性を求める人が増えています。その意味でゲームパブリッシャーがコンシューマーゲーム開発経験者を求めることもあります。
これは先ほど書いたベンチャーが新卒を求めるという傾向とは逆のものになりますが、ゲームパブリッシャーには様々ありますので、それぞれの会社によっても採用の方針が異なります。その意味でも、その会社がどんな会社なのか、どんな社長なのか、どれくらいの平均年齢なのかを知ることは大切なことになります。ゲーム業界での転職をお考えの方はぜひその会社がどんな会社なのかというところから突き詰めて考えてみてください。