日本でアニメゲームを作る外国人 クリエイター、転職就職市場もグローバル化

2016年4月5日の日経新聞夕刊に、「『和』紡ぐ外国人(2) タクミの世界に新風吹き込む 別の発想、伝統の発信に担う」という記事が掲載されていました。今回は外国人と日本文化と日本の労働についてです。

shutterstock_151473575-330x227外国人が日本文化を担う

日経の記事の詳しい内容はぜひご自身で購読していただければと思うのですが、概要としては、日本文化を担う外国人が増えていて、はさみ鍛冶に26歳のフランス人が弟子入りしたり、神社仏閣の文化財修復を外国人の社長が経営していたり、30年以上前に尺八界に革命を起こしたアメリカ人の話だったりします。「古き良き日本」は実は外国人の手も借りています。誰がやるべきだという話ではありませんが、日本の文化は日本人の手で守りたいと思う人もいるのではないでしょうか。そして同じようなことがアニメやゲームの世界でも起こっています。

すでにアニメやゲーム、漫画、コスプレなどの日本文化が海外でも大人気であることはご存知の方も多いかと思います。先日行われたAnime Japan 2016のビジネスブースにもアニメの買い付けの商談のために外国人が大勢来ていました。日本のアニメゲーム漫画は商材としても海外に広く展開していますが、アニメゲーム漫画は何も外国人によって楽しまれるだけでなく、外国人の手でも作られています。

shutterstock_302876600-330x228アニメ業界、ゲーム業界にも外国人クリエイター

近年、ラクジョブにも、欧米やアジア圏を出生とする外国人の登録が増えています。日本語の運用に関しては多少難がある人から日本人と全く問題なく会話ができる人までいますが、クリエイターとしてのスキルに関しては日本人と遜色のない人が大半です。そして実際に外国人の応募から採用に至るケースも増えています。

人材不足が叫ばれるアニメ業界、ゲーム業界では腕のいい人を採用したいというニーズは非常に高いです。企業側としても、日本人の未経験者を1から育てるよりは外国人の経験者を採用した方がいいと判断するケースは少なくありませんでした。また、幸いにしてアニメ業界、ゲーム業界は制作を過程として経た最終的な制作物がしっかりとしたものであれば問題ありません。グラフィックもプログラムも言葉で説明する必要はなく、ものを見ればそれで判断することもできます。もちろんコミュニケーションも必要になりますが、まずは腕があるかどうか、あとは言語運用は生活上の必要性も相まって必然的に向上します。

portrait of a young businessman外国人は日本人よりも評価が高い!?

アニメ業界、ゲーム業界は新人、未経験者の採用に積極的でない会社が多いです。採用したくないというわけではなく、採用できないというのが実情です。アニメ業界、ゲーム業界は名前の知られている有名な会社はほんの一部で、実際にはほとんどが下請けの制作開発会社です。メーカー、パブリッシャーや元請け会社がクライアントとなって、その発注を受けて制作を行うわけですが、クライアントとなるプロの目からチェックされるため中途半端な制作物を納品するわけにはいきません。つい先日までプロとして働いたことのない新人の制作物をそのまま提出できるわけもなく、必然的に社内の第一線で働いている人の手と頭を取られてしまいます。結果、会社全体としてのパフォーマンスの低下にもつながってしまうので、未経験者を採用できるだけの余裕のある会社は多くはありません。

しかし、人材不足の中で、経験者に限らず採用を考えなければならない時に、日本人の未経験者よりも外国人の未経験者の方が評価が高いことがあります。それはいわゆるハングリー精神という言葉で言い表すこともできますが、もう少し詳しく説明したいと思います。

shutterstock_294148979-330x220-330x220なぜ外国人が採用されるのか?

日本人の問題点は、なんでも教えてもらえると思っていることと教えてもらっていないのだからできなくてもしょうがないと思ってしまっていることです。それは学校教育から教えてもらえることに慣れて、教わった範囲で成果と上げることに褒められる環境で育ってきたからです。事実、応募の際の作品、ポートフォリオ提出で、卒業制作だけを提出する専門学校の学生は少なくありません。あるいは独学でやっていてもプロとしては通用しないレベルのものを提出することも多くありません。お金を払ってくれるクライアント、お客様の満足から考えられないのであれば、それは仕事としては通用しません。そこに少しでも自分への言い訳があってはいけません。日本人の場合、その考え方が欠如している人が多いのが実情です。

もちろん外国人が一様にやる気が溢れていて、プロと遜色ないクオリティの制作ができるわけではありませんが、海外の場合は日本ほどに環境が整備されていません。ゲーム開発やデザインの専門学校も少ないですし、教えてくれる人もいません。それでも日本のアニメやゲームに出会ったというただそれだけのきっかけから、自分で技術を磨き、自分で仕事を探し、慣れない日本語を読んでラクジョブを見つけ、日本で働く決意をした人が応募しています。流れるままに応募してきた日本人と全てを自分で開拓してきた外国人では、後者に好意を感じてしまうことも無理からぬことではないでしょうか。

shutterstock_203112589-330x220日本人と外国人を超えて

これはとあるCG制作会社の社長さんに聞いた話ですが、最近は「クリエイターであることを忘れてしまっている人が多い」そうです。本来クリエイターとは、こんな表現を作り上げたい、こんなゲームを作りたいという欲求があったからこそクリエイターとしての一歩を踏み出したはずなのに、その「作りたい」という情熱を忘れてしまっている人が多いです。そこが日本人と外国人の1番の違いです。

自分が何に感動し、何を作りたいと思ったのかをもう一度真剣に思い返してみてください。何がしたいのか、何が作りたいのか、そのイメージとそれに伴う感情を忘れないでください。そしてどうすればそれを現実にできるのかに目を向けてください。そうすれば、自ずとどんな会社に応募したいのか、応募した会社にどんなものを提出すればいいのか、どんなアクションを起こせばいいのかも自然に見えてきます。その結果として、アニメ業界ゲーム業界に入ってくる人たちが増えることが、これからの未来、それに触れた人が感動し、揺れ動くような素晴らしい作品の誕生にも繋がります。ラクジョブの就職転職の側面からその一助となれればと思っていますので、アニメ業界、ゲーム業界を志す方々はぜひご利用いただいてアニメゲーム業界への第一歩を踏み出してください。

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