アニメゲーム漫画業界 外国人クリエイター求人採用増加3つの理由 日本人は期待薄…

本日(2016年3月23日)の日経新聞朝刊の一面には以下のような記事が書かれていました。

nikkei「外国人労働者迎える独 活力保つため根付いた覚悟

人口減で働き手が減る日本。外国人労働者は社会を混乱させる存在なのか、それとも人手不足を補う救世主なのか。受け入れに積極的なドイツにヒントを求めた。

シュツットガルト郊外のボッシュ本社。スペイン出身のラウル・ゴンザレス(21、写真)が金属加工を学んでいた。技術者を目指す研修生で、会社紹介のアパートでひとりで暮らす。月に3週間は社内で実習、残りは職業学校で理論を学ぶ」

今回はアニメゲーム漫画業界と外国人労働者についての話です。

shutterstock_248863174少子高齢化は世界的な課題

「少子高齢化」というと、日本の問題のように感じますが、事態は日本に限らず世界中の先進国は直面している、あるいはいずれ直面する問題です。日経新聞の中では、ドイツで研修するスペイン学生が事例として挙がっています。

「独企業が手厚く外国人を迎えるのは、労働力不足への危機感からだ。独は1972年から死亡数が出生数を上回る。外国人受け入れで人口を維持し、移民やその子孫が占める割合は20%に上る。」

日本は世界でも有数の少子高齢化の進行が速い国です。日本は世界からも「いずれ自国が直面するであろう少子高齢化社会のテストケース」として注目を浴びています。

FamilyMartコンビニでバイトする外国人

近年、コンビニでファーストフードチェーン店で外国人が働いている姿を見ることが普通になってきました。学生がコンビニで働くのと大差なく、同じくらいの年齢の外国人が日本で働いています。

ファミリーマートのHPでは、外国人スタッフの働きぶりが紹介されており、外国人採用に積極的である様子が伺えます。多少言語能力に難がある人もいますが、コンビニで接客するだけの最低限のコミュニケーションは、日本人外国人問わず対応できています。

gaikokuzinアニメゲーム漫画業界が求める外国人

平成26年10月末の厚生労働省の調査によると、外国人労働者数は約79万人の届出が出されています。少子高齢化で日本の若い労働の担い手が減っていく以上、外国人労働者が増えていくことは当然予期される未来です。

外国人労働者の増加がアニメゲーム漫画業界でも見られる現象です。約10年運営を続けているラクジョブにも近年外国人労働者の登録や企業への応募が増えています。アニメゲーム漫画という日本独自のオタク文化には外国人クリエイターも高い興味を持っています。

また、アニメゲーム漫画業界の企業も外国人クリエイターの採用に積極的です。その理由は大きく分けて3つあります。

Nerd with glasses hacking websitesアニメゲーム漫画の企業が外国人クリエイターを求める3つの理由

まず1つ目は、優秀なクリエイターが多いことです。「日本のアニメゲーム漫画なのに外国人がいい作品なんて作れるの?」という疑問もあるかと思います。実際には、「相対的に腕にいいクリエイターを採用しやすい」というのが正しい言い方です。確かに日本の最先端のアニメゲーム漫画を作り上げるのは日本人ですが、ミドル以上のスキルを持つクリエイターはどこの企業でも採用のニーズが高く、競争率が高いです。それに比べると、外国人クリエイターは日本人1億人の約70倍の可能性がある上に、まだまだ採用に積極的でない会社も多いので、比較的腕のいい外国人クリエイターでも採用しやすいという状況があります。

2点目が、海外進出を考える会社の採用ニーズが高いことです。アニメゲーム漫画もスマホゲームや電子コミックの台頭で形を変えつつ、国内マーケットを広げていますが、70倍の世界市場に仕掛ける動きも近年増えています。「ゲームと言えば日本」という見識を持っている人も多いかと思いますが、実際には、日本のゲーム市場約1兆円に対して、世界のゲーム市場は約10兆円、その差は約10倍です。単体でも、アメリカ、中国はそれぞれ2兆円のマーケットを持っており、日本の2倍近くの規模です。大手企業が、海外マーケットを狙うのは、経営戦略から考えても当然の結論です。その際に、現地の文化や好みを理解している外国人の存在は欠かせません。単純な労働力不足だけでなく、彼ら独自の能力も買われています。

3つ目は、「日本人よりもよく働いてくれる」という経営者の声をよく聞きます。日本人のメンタリティは「和を尊び、残業してでもしっかりとした仕事をする」ですが、外国人は「ドライに目的的思考、時間内にしっかり終わらせるためにエネルギーを全力投入する」です。日本人は家族との時間やプライベートの時間を削ってでも仕事に没頭しようとします。外国人は、仕事は仕事で、プライベートはプライベート、どちらも満足させようとします。「最近の若者は意欲が低い」とよく言われますが、実際には目的的思考が弱いのではないでしょうか。少なくとも、経営者は結果ありきで、目的達成のために行動できる人を求めているため、外国人と一緒の方が働きやすいという声が増えています。

以上、3つの理由から外向人クリエイターに期待を寄せる企業は増えています。そしてそれは、同時に日本の若手クリエイターへの期待が薄まっていることも意味します。これからアニメゲーム漫画業界で働くのであれば、これからの競争相手は外国人になることにより意識を高める必要があるのではないでしょうか。

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