日本のゲーム・ディベロッパーも、海外を意識する必要のある時代
記事を読んでいただき有り難うございます。今回のテーマは、「ゲーム開発とグローバル化」という、いささか大仰なテーマで記事を書きたいと思います。日本のゲーム業界、特にコンシューマゲーム業界はドメスティックな業界であり、海外進出を志向している企業は少数派です。しかし昨今では中国などの市場の拡大もあり、海外マーケットに目を向けていく企業も増えてきました。
海外向けに事業展開をしようとした時に必要になることは、海外の市場について知ることです。ローカルアウトのするときのコツや、資金調達の方法、法律についての知識など…まずは情報が必要になるわけですが、情報収集活動をしようと動きだした途端に、日本人の行動を鈍らせるmのがあります。それは「英語」です。海外のエンジニアや経営者とコミュニケーションができるのか、自分は英語を上手く発話できるのか?そうした懸念が頭によぎらない日本人はむしろ少数なのではないでしょうか?今回の記事では日本人にとっての英語の苦手意識をいかに克服するか?というテーマについて今朝の日経新聞の記事なども参考にしつつ考えて見たいと思います。
求められているのは達者な英語なのか
日本人の英語嫌い、苦手意識の根幹には、受験生時代の記憶が横たわっていると思います。受験で使う教材には、模範的な文法、豊富な語彙が使われた文章が登場してきます。また、リスニングの教材にも、ネイティブスピーカーの非常に流暢な発音が使われています。こうした言わば「ショーウインドーの中の英語」を学ぶのが日本の受験生です。しかし受験英語は、いくら勉強しても実は英語を話せるようにならないことで有名です(笑)。その代わり、ネイティブの書く、話す綺麗な英語と自分の下手な英語の差を思い知る効果が日本の受験英語には秘められています。
受験英語でしか英語に触れた事がなく、実際の英語を使ったコミュニケーションの成功体験の少ない平均的な日本人は、「自分がいざ英語で話しても、上手に話すことはできないのではないか」と試して見る前に諦めがちになってしまうのではないでしょうか。
孫さんに学ぶ英語の簡略化
そこで皆さん、今日の日経新聞の25ページ、「キャリアアップ」の欄に目を通して見て下さい。あのSoftBankの孫正義さんの、実践的な英語の使用法が載っています。孫正義さんはビジネス上のシビアな交渉であっても、通訳を付けずに自前の英語で交渉するそうです。その英語は、「中学英語」と言われるくらい文法的にも語彙的にも簡素化されており、孫さんにとって使いやすくアレンジされているのだとか。
「本日のトピックは〜」「私が言いたいことは」「結論として」など、良く使う言い回しを限定する、文法的には若干の間違いがあろうとも伝わればそれで良いと割り切る、最低限の意思疎通はできるように、簡素化されていてもリズムとアクセントだけは気を使う、など、孫さん式英語には実践のコツが詰め込まれており参考になります。こうした英語なら、特別な勉強がなくと直ぐに真似出来るのではないでしょうか?しかも孫さんはこの英語で通訳なしであれだけ闘っているのです。
英語はコミュニケーションの道具です
孫さんの英語は、英語を道具だと割り切っているからこそ出てくる発想ではないでしょうか。日本人は誰しも、英語を最低限は使えるはずです。それこそ、中学で一度通った道を使えば、それだけでコミュニケーションは出来てしまう。よく言われている英語の学習法に、「実際の英語を大量に聞き、大量に話す」という物がありますが、実際にはそれをするまでもなく中学程度の英語で良いから現場で運用する事が重要なのではないでしょうか。
ゲーム会社の経営者の人で、海外にラインを持っている、海外でビジネス展開をしている、という人の中には英語が出来ないけど気にせず行った、あまり話せないけど何とかなると思って行った、という人も少なからずいらっしゃいます。人間あらゆることは慣れで何とかなります。「将来的には海外展開も考えている」なんて方は、まずは一度現地に行ってみてはいかがですか?行ってみてはじめて、英語を何とかする方法、文化を理解する方法が見えてくるかもしれませんよ。そのための踏ん切りとして、この記事が役に立てたら幸いです。