アニメゲーム漫画 経験者採用の求人広告に未経験者が応募してきてしまう理由と経験者を採用するための募集方法

人事採用担当や中小企業の経営者からよく「経験者を採用したいのに未経験者しか応募してこない」という悩みを聞きます。今回は、そんな企業向けに経験者採用のための求人広告作りのコツをお伝えします。

shutterstock_259679678読んでも理解しようとしない求職者

経験者採用の求人広告であれば、応募条件の欄に「○年以上業界経験」という文言を入れるのが一般的です。そして、そのように書いているにも関わらず、応募条件未満の人やそもそも業界経験未経験者が応募してくることは不思議でしょうがないはずです。「もしかして応募条件を読まないで応募している人ばかりなのではないか?」と思われるかもしれませんが、求職者はもちろん応募条件も読んでいます。

未経験者が経験者募集にも関わらず応募してくるのは、「未経験だけどもしかしたら採用されるのではないか」と期待しているからです。実際、経験者募集の求人広告で将来性の高い未経験者を採用する例も全くないわけではありませんし、その考え方が全く的外れであるとは言えません。しかし、一般的には経験者募集は経験者を採用するための募集であって、未経験者に応募された企業からすれば、不思議でしかありませんし、忙しい仕事の合間に未経験者の応募に対応しなければならない企業からしてみれば、迷惑でしかないでしょう。

shutterstock_246916189未経験者が引き寄せられやすい求人広告の特徴

しかし、一概に全ての経験者募集の求人広告に未経験者が応募してくるわけではありません。根っからの「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」戦法で応募してくる未経験者はどうしても一定数いますが、そうでない普通の未経験者まで引き寄せてしまう求人広告とそうでない求人広告があります。

求人広告を作るとき、普通は「みんな笑顔の写真」「和気あいあいとしている雰囲気」などを打ち出せばいいのではないかと思いがちです。それももちろん間違いではありません。先日マックがアニメを用いたアルバイト募集のCMを作り話題になりました。確かにマックがアルバイトを採用するのであれば、「若者がマックでアルバイトを経験し成長するハートフルなストーリー」を提供するという選択肢で間違いありません。しかしそれはあくまでもアルバイト未経験者の求人採用のケースです。アニメゲーム漫画というニッチな業界の経験者を採用するための方法ではありません。世の中の大多数の「未経験者を対象にした求人広告」をイメージしてはいけません。

業界経験者は、業界で働くということがどういうことかを十分理解しています。その中で何かしらの不満や次への目標を持っているから転職を希望するのであって、「アニメゲーム漫画で働くことが夢」な未経験者とは根本的に異なります。そこを押さえておかないと未経験者の応募が多い求人広告になってしまいます。

shutterstock_267076877専門的にするだけでも意味がない

では、経験者に対してリーチするように、専門的な内容にすればいいのかというとそうでもありません。確かに「夢」とは逆の「現実」の話をすれば、未経験者は「よくわからない」と思って敬遠するでしょうし、経験者から理解を得ることもできるでしょう。しかし、経験者にしても、転職することで果たしたい目的があるから転職を考えているのであって、単純に現実を今更見せつけられたところで興味を持たれることはありません。会社自体が業界内でも胸を張れるくらいのNo.1なのであればそれでも問題ありませんが、No.1以外の全ての会社は選外です。

人は何かを選択するときNo.1以外をわざわざ選ぶことはありません。レストランで料理を選ぶときわざわざ2番目に食べたいものを選ぶ人はいません。必ず総合的、合理的な判断でその時一番食べたい料理をオーダーします。ましてや自分の人生にも関わる転職ならば、求職者が慎重に慎重にNo.1のみを選択します。つまり単純な結論ではありますが、経験者の応募を増やすためには、経験者にとってのNo.1企業になるしかありません。

Business man with social media connection background転職経験者に選ばれるために必要な求人広告の打ち出し方

とは言え、もちろん誰の目から見ても文句ないNo.1になる必要はありません。任天堂にならなければゲーム業界経験者を採用できないというわけでもありませんし、集英社でなければ漫画業界経験者を採用できないというわけではありません。大切なのは、「限られた条件においてのNo.1を作り出すこと」です。マーケティング用語で言えば、ペルソナと呼ばれたりもしますが、要は、どういう人に応募して欲しいのか、応募して欲しいと思っている人はどうしてあなたの会社に応募したいと思うのかをしっかり分析して打ち出す必要があります。

というと、途端に「難しい、よくわからない」となってしまうかもしれませんが、それを実現させるとても簡単な方法があります。これまで会社に転職してきた人たちに「どうしてうちを選んだのか。前の会社と比べてうちの会社はどこがいいか」をヒアリングしてください。それがそのまま転職を考えている経験者に訴求するためのポイントになります。「自分の会社のいいところなんて自分が一番分かっているよ」と思うかもしれませんが、話を聞いてみると思いもよらなかった意見が出てくることも良くあります。

さらに言えば、社長や人事担当がしっかりポイントを押さえられていたとしても、「転職した人の声」というポジションをしっかり打ち出すことに高い効果があります。求人広告はあくまで自分たちの会社を売り出すための広告であり、広告を観る側にはどうしても求人広告に対して警戒心を持って読んでしまいます。いくら客観的なメリットを打ち出していたとしても、それが本当かどうか確かめる術は求職者にはありません。だから少しでも信憑性を高めるためにも、「実際に転職してきた経験者の人たちはこんな風に満足を得ている」という形にして求職者に情報を伝えることが大切です。

自社HPやラクジョブ以外の他媒体で経験者を募集している会社は、ぜひ良い経験者を採用するための参考にしてください。

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