3月18日にドワンゴより発表があった、アニメーション制作ソフト「Toonz」のオープンソース化し無償公開という話題について記事を書いています。今回の無料公開は、アニメ業界を目指す未経験の人にとって大きなメリットとなります。
ジブリも使うアニメ制作ソフト「Toonz」、ドワンゴがオープンソース化し無償公開
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1603/18/news156.html
「Toonz」とは、イタリアの企業「Digital Video」によって1993年に開発されたアニメーション制作ソフトになります。そして今回、こちらをドワンゴが買収、「OpenToonz」として3月26日からソースコードを無料で公開することを発表しました。
どんな機能があるの?
1993年と意外に長い期間使われているアニメーション制作ソフトですが、日本のアニメ会社でも使用している企業があります。それがスタジオジブリです。スタジオジブリでは、この「Toonz」を「もののけ姫」の制作から導入しています。そしてスタジオジブリでは、このソフトを独自にカスタマイズした「Toonz Ghibli Edition」を開発し、「借りぐらしのアリエッティ」以降の作品すべての仕上げ、色指定、撮影の工程でこの機能を使っているという話です。そして今回こちらの「Toonz Ghibli Edition」を搭載するとともに、ドワンゴの人工知能技術を使った「OpenToonz」向けのエフェクトや誰でもエフェクトを追加できるプラグイン機能を搭載し、無償で提供されます。
(画像は、DVDのパッケージより)
今回の「OpenToonz」の詳細は、2016年3月26日(土)に開催される「AnimeJapan2016」のJ41、kadoawaブース内ドワンゴエリアにて紹介され、11時からはステージでも発表があるとのことです。興味のある方はぜひ会場まで足を運んでみてください。
(画像は、公式サイトより)
アニメ制作において
今回のアニメーション制作ソフトは、スタジオジブリが仕上げ、色指定、撮影で使用していることから、日本のアニメにおいても、原画や動画以外の部分であれば、かなり幅広くカバーできるでしょう。アニメにおいて、最も注目されるのが作画ですが、それ以外にも色々な工程があります。原画や動画をチェックし、仕上げで色づけしやすいように調整、そして色彩担当によって決められた色を元に着彩します。そして、背景やエフェクトを追加し、シーン合わせた色調に変化させ、編集していきます。今回のソフトのいいところは、「Toonz Ghibli Edition」や「OpenToonz」向けのエフェクトが搭載されていることによってある程度の編集が行えるとともに、日本アニメの作画を活かしたような爆発や爆煙のようなエフェクトを自分たちで追加する機能があるところです。
オープンソース化にあたり
今回の「OpenToonz」の無償公開は、アニメ業界のみならず、より多くの人がアニメ作りを身近に感じられるようになるのではないかと考えます。YouTubeやニコニコ動画などでアニメのカットを編集し、一本の動画にするMADアニメは以前より多数投稿されていましたが、やはり個人でアニメを制作しようとなると、アニメの作画のみならず、編集のためのソフトが必要となり、なかなか踏み出せない人が多かったでしょう。しかしこの部分が無料になったこともありかなりアニメ作りへの敷居は低くなったのではないでしょうか。そして、ソースのカスタマイズ次第では、アニメの制作効率どんどん向上させることができ、今まで以上にクオリティを上げることが可能となるでしょう。
これからアニメ業界を目指す人へ
アニメ作りは、作画のみではありません。そしてかなり細かく分業で行われています。それ以降にも、色を決めたり、色を塗ったり、エフェクトをつけたり、撮影したいとたくさんの工程と職種があります。もしこのようなお仕事でアニメ業界を目指したいと考えている人がいましたら、今回のオープンソースは是非触れておいたほうがいいでしょう。そして、しっかりとしたアニメを制作し、就活の際の実績できると良いでしょう。
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