劇場版アニメビジネスに学ぶ遊技機のコンテンツの展開に関して

遊技機業界は、警察庁からギャンブル性に関して指導が入り、一昨年のパチスロの出玉規制やパチンコの釘打ち問題と規制の連続で、若干下火の状況にあります。今回は、劇場版アニメが好調であることから見た遊技機のコンテンツとしての展開に関して記事にしました。

shutterstock_192459425TVアニメの収益について

アニメにおいての収益性は、主に円盤の販売です。TVシリーズの30分1クールのアニメであれば2億円前後の費用がかかります。それを取り戻すためには、円盤にして各2話収録の6、7巻の販売で各巻6000枚ほど売れば収益として回収できるラインです。そして、そのラインを超える見込みが立ったタイトルに関しては、2クール目の制作が決定したり、劇場版やOVAの製作が決定したりします。そして最近好調なのが、劇場版アニメです。昨年は、劇場版アニメだけで年間、100タイトル以上、そして興行収入ランキングで見てもTOP10のうち6タイトルがアニメ作品になります。

2015年邦画 興行収入ランキング(日本映画制作者連盟)TOP10
https://www.eiren.org/toukei/index.html

引用始め
・映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン! 78億円
・バケモノの子 58.5億円
・HERO 46.7億円
・名探偵コナン 業火の向日葵 44.8億円
・映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ) 39.3億円
・ドラゴンボールZ 復活の「F」 37.4億円
・進撃の巨人 ATTACK ON TITAN 32.5億円
・映画 ビリギャル 28.4億円
・ラブライブ!The School Idol Movie 28.4億円
・ 映画 暗殺教室 27.7億円
引用終わり

劇場版アニメの収益について

劇場版アニメに関しては、TVシリーズと違って、最初に費用を払わないと映像を見られません。そして本当に良かったかは映像を見終わるまでわかりません。にもかかわらず、多くの方が劇場へ足を運んでいます。そこには劇場版アニメ特有の流れがあります。もちろん人気タイトルを劇場版することが多いため、ある程度の知名度もあります。それに加えて、TVやインターネット、雑誌等で宣伝をすることによって、さらに期待度を高め、集客へとつなげています。そしてもう一つの販売戦略が、前売り券に付属させる限定グッズです。1タイトルに対して、上映までの期間に何回も品を変えたりして、前売り券の販売を行ったりします。コアなファンになればなるほど、リピートで購入しますし、上映後もリピートで劇場に足を運んでくれます。私も某劇場アニメを見に行った際、ふと隣の人の会話が聞こえてきたのですが、「あと前売り券何枚ある?」「あと6枚ある」という会話がありました。熱狂的なファンはそこまでやります。

shutterstock_321777644遊技機とアニメの関係

北斗の拳やルパン3世、エヴァンゲリオンなどをきっかけに、これまでに多数の有名アニメ版権を使ったパチンコやパチスロの台が販売され、親和性の高い印象があります。今でも、新規シリーズ機種のみならず、深夜アニメを使った台や80年台や90年台のアニメの台も週間人気ランキングの上位になるケースも多々あります。ただ、パチンコパチスロは規制により、昔ほどのギャンブル性が薄れたため、アニメ関連の台のみならず、全体的に客離れが進んでいる状況にあります。


shutterstock_270033818劇場版アニメと遊技機の違い

着実にシェアを伸ばしている劇場版アニメ、昔のようにファミリー向けの定番アニメばかりでなく、対象年齢が高めの深夜アニメが元の劇場版アニメも興行収入を伸ばしてきている時代です。その一方で、同様の対象年齢が高めのコンテンツを使っているにもかかわらず、客離れが進んだ違いは何でしょうか。一つに映像の演出の違いがあると思います。これまでの遊技機は、当たるための演出、いかに大当たりまでの期待を高めていくかという映像でした。しかし、大当たりの確率が当たる一方でリターンが少ないため、その演出を多く見るようになっているため、思った以上に期待を高められないのと見る回数が多くなることにより空きが来るのが早いのではないでしょうか。

遊技機のコンテンツに何を求める?

劇場版アニメが人気な理由は、完全オリジナルの場合が多いからです。いくら人気タイトルだったとしても、TVシリーズの総集編であったりすると、期待度は落ちますし、いくら新作カットがあったとしても何度も見にいくことは少ないでしょう。すでに、TVシリーズはレンタルで出ている可能性が高いからです。その点から考えると、今後の有名IPを使った遊技機を考えているのであれば、短編でも、いかにオリジナルのアニメを加えるか、そしてどれくらいのオリジナルストーリーを組み込んだかPRしていくことではないでしょうか。それによって少なくともそのアニメのコアなユーザーであれば、そのムービーを見たいがために足を運ぶでしょうし、お金を使いたいと思うのではないでしょうか。オリジナルのストーリーを作る上で、版権元とのやりとりは難しいものになるとは思いますが、それが出来た時、遊技機独自のコンテンツとして新たなターゲットを取り込むことができるのではないでしょうか。そのためにも遊技機専門のアニメ会社というのもあってもいいのかもしれません。

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