ビ・ハイア株式会社はアニメゲーム漫画業界に特化してクリエイター採用の専門求人サイト「ラクジョブ」を10年近く運営しており、業界の様々な会社の求人採用を手伝ってきました。この記事はそんなビ・ハイアが考える「仕事内容」の書き方についてのアドバイスです。
上手くいかない「仕事内容」の書き方
まずは、御社の求人広告、あるいは採用HPを見てください。もしそこに簡潔にまとめられた短い文章が書かれていたら要注意です。例えば、ゲームプログラマー採用に「Unityを用いたスマホゲームのクライアントプログラミング」と書いていたり、3DCGデザイナー採用に「モデリングからモーションまでの一連の作業」と書かれていたりしませんか。しませんよね。
求人サイトには大きく分けて2つのタイプがあります。1つは求人サイト側が求人原稿を書いてくれるタイプ、もう一つは求人広告出稿企業が求人広告を書くタイプです。後者の場合は、もちろん担当者が求人広告を考える必要がありますし、前者の場合でも、求人サイト運営企業に任せきりにしていては上手くいかない可能性もあります。どちらにしても求人広告についてのゲシュタルトは必須になります。
他社との違いを打ち出す
ゲームプログラマーがゲームのプログラミングを行うことは当然ですし、3DCGデザイナーが3DCG制作を仕事にするのは当然のことです。例えるのであれば、コックを採用しようとして仕事内容に「料理を作ること」と書いてあるくらい当たり前すぎることです。つまり、料理をしないコックはいないのと同様に、プログラミングをしないゲームプログラマーや3DCG制作を行わない3DCGデザイナーもいるわけがありません。
なので、求人広告を書く際には、他社との違いを書かなければ意味がありません。自分たちの会社のゲームプログラマーはどんなゲームを作っているのか、3DCGデザイナーはどんなテイストのグラフィックを作ることが多いのかを詳しく書いてください。もしどんな特徴があるのかよく把握できていないというのであれば、現場のスタッフにも他社との違いを聞いてみてください。「餅は餅屋に聞け」です。
仕事内容=働き方、生き方
そして、アニメゲーム漫画業界に特に言えることが、クリエイターとしてのエネルギーをどこまで活かせるかによって生産性が格段に違ってくるということです。業界で活躍できる人には必ずコンセプトがあります。持ち味を活かすと言っても構いません。クリエイターが何をどんな風に作るのか具体的に求人広告からイメージできることがベストです。
一方で、大きな視点で言えば、アニメゲーム漫画業界と言えども「仕事」であり、働いてお金を稼いで生活の一部として捉えられる側面もあります。家族や子供もいるのであれば、家庭と仕事の両立も課題になりますし、親の介護が必要なのであれば、仕事にガッツリ時間を取ることができなくなるかもしれません。そのような働く人自身の生活も仕事、働き方と密接に関わってきます。
そもそも論ですが「仕事内容の書き方で悩まないでください」
ここまでで何点か求人広告の「仕事内容」の書き方についてアドバイスをしましたが、ここまで読んでも具体的にどうすればいいのかわからない、自社に当てはめることができない場合は、その状態自体に危機感を持ってください。業界で企業は存続するために仕事を続ける中で、知らず知らずのうちに業界の求める最適解に近寄りすぎて、企業としてコモディティ化しています。カラーがなくなってしまっています。その状態で試行錯誤して新しい人が入社してくれたとしても長続きしません。あるいは何かあったときにすぐに辞めてしまいます。
なので、一番の正解は、「仕事内容の書き方について悩むことなどなく、書きたいことが湧き出てくる状態」です。しかし、この記事を読んでいるということは何かしら仕事内容の書き方について悩んでいるからこの記事を読んでいるのだと思います。その場合はまず今働いている社員の働き方を見つめ直してください。まずは社員に「○○だからこの会社で働き続けたい」と言われるものを作ってください。そうすれば、人材採用を加速させることもできますし、採用後の定着率を上げることにも繋がります。せひ参考にしていただいて、企業にとってもクリエイターにとっても良い環境を作ってください。