今一番採用しにくいのは〇〇プログラマー
プログラマーはゲームアプリを作る上でも、コンシューマーゲームを作る上でも無ければならない存在です。そして、だからこそどの会社でも必要とされ、基本的に求人がかかるのはまずプログラマーから。今までそういった会社さんのお悩みを聞いては求人で解決してゆきました。しかし時代によってプログラマーが喜ぶ言葉、喜ぶ求人広告は違い増す。今回はそんなお話です。
現在一番採りにくいプログラマーは、Unityプログラマーです。転職者は以前より増えていますが、競争率が高いことが特徴です。こういったフロントプログラマーが一番採りにくい一方でサーバーエンジニア、PHPエンジニアなどは採用しやすくなっています。理由としてはゲームアプリ自身の運営が少なくなってきたこと。開発してリリース後、売上が振るわなければ3ヶ月ほどで終了するアプリが増えたために運営のための技術者ニーズは以前より整理されて減ってきました。しかし新規の開発は相変わらず多いので、フロントプログラマーはいつでも必要というわけです。
プログラマーに魅力的とされてきた言葉
私がこの業界に入ったのは7年前ですが、当時はまだスマホも発売されておらず、3DSのバブルが弾けた氷河期でした。それでもC言語系のプログラマー採用は多く、キーワードとして「成長出来る」「スキルアップ」という言葉が派遣を握っていました。この言葉は過去の求人で特に使われてきており、ソーシャルゲームが出て来始めた頃には特に乱立しました。「お客様の声がダイレクトにわかる」「顧客からの反応がすぐに出る」「高収入」という言葉も目立っていたのを覚えている方もいらっしゃるかもしれません。
2012年頃からプログラマーが魅力を感じ始めた言葉
しかし、ソーシャルゲームの人気が高まるにつれ、そういったよくある文句は精彩を欠いてゆきます。単に、あまりに同じような語句が続きすぎていたからとも言えますが、それよりも魅力的な言葉が出てきたからです。それは「職場環境の良さ」「帰れる」というようなワードです。当時の開発環境の過激さを垣間見られる、なかなかに笑えない言葉です。
しかし実際、プログラマーへのインタビューなどを行なってみても「忙しいのは仕方が無いが、せめて納品直前くらいにして欲しい」「休みがあると書いてあったが休みなんて無かった」という苦しみの声がよく聞こえました。逆に「職場環境が良い」「ちゃんと帰れます」という言葉を求人に使ったとしても、実際働いてみて違ったからもう辞めたい、という声も多かったのです。そして、そういった職場環境の実態と求人広告の言葉の差が、転職者を更に産む結果となってしまいました。
ごまかしはすぐバレる!
もちろん、どんな会社だって毎日定時に帰れるということはありません。そして転職者ほど、そういうことはわかっているのです。それでも求人広告には美辞麗句が並び、結果としてそれを信じ込んでいる人が多く応募してきます。そして職場環境の実態と求人広告が違うと気づいた人から辞めてしまい、人材の回転率が異様に高い職場が多く生まれてしまうのです。
常日頃から私達は「求人広告は採れることより辞めないことが大切」と説いていますが、まさにこれが行われていなかったのが2012年当時でしょう。求人広告の取材の時にも「仕事自体は大変ですが職場環境は他より良い」と全ての会社さんがやむを得ず話してしまうという状況。人材にとっても会社に取ってもあまり良いとは言えない環境でした。しかし、だからこそあえて「素直に書いてください」ということを当時、私達は繰り返していました。
素直に書くことの大切さ
素直に書く、ということは「帰れないときもある」「正直他の会社と同じくらい大変」というネガティブ要素を入れる事でもありますが、同時に「しかし、会社としてはこういうことを目指している」「働いている人に対してこういう形で報いたい」「頑張る代わりにこういった利点がある」という真剣な言葉を入れることでもあります。大変なだけの職場なら、やはり誰も入ろうとはしません。しかし美辞麗句を並べているだけの求人広告よりはよっぽど信頼度が増しますし、大変な代わりに得られるものがある、というのは論理的で納得しやすい言葉です。そもそもただ楽をしたい、大変になったらもう辞めたい、というだけの人が入った場合、その一瞬は助かったとしても長期的に会社のためになる人材とは言えません。
素直に書くということは、会社に取っては冒険かもしれません。それでも、どうか求人に関しては素直に書いてみてください。正直、そっちの方が人が来ます。そして、何より辞めません!今だけでは無く会社の長期的発展の為に、プログラマーだけでなくあらゆる求人に関して是非見直してください。