VRゲームで更なるキャラ萌えが可能に? VR技術に「視線同期」を追加した株式会FOVEについて特集

記事をお読みいただき有り難うございます。今回の話題はVRヘッドマウントディスプレー「FOVE」 についての特集です。今朝の日経新聞の一面に、ベンチャー企業FOVEについての特集が組まれています。今朝の記事では結婚式開場に、遠隔地にいる親族と動きの同期したロボが「代理出席」している様子が記事にされています。ロボットは遠隔地にいる人間のつけているヘッドマウントディスプレーと同期しており、ディスプレーのなかに映し出された新婦の方に視線をやるとロボットが同期して動きます。

fv応用範囲の広い、視線追跡の技術

「FOVE」の強みは「視線追跡」にあります。微細な眼球の動きをキャッチし映像に反映することは、多彩な表現を可能にします。バーチャル空間において他のプレイヤーの操るキャラクターと「アイコンタクト」を取り合ったり、焦点を合わせるものを変えて行くことで、ゲーム内における遠近感を表現したりすることが出来ます。また、FOVEは、VRギアにつきものである「VR酔い」の問題についても解決策を示してくれます。「VR酔い」は、実際に自分が動いていないにも関わらずVRの中に置いては移動しているというギャップによって感じる不自然さを指しますが、視線という非常にパーソナルなものが映像とシンクロすることで酔いが減少することが期待できます。

「FOVE」の技術はゲーム以外に応用範囲が広いこともまた、注目される理由です。目の動きだけで映像内でのアクションを可能にするので、手足の不自由な子供でもVRを装着することでピアノを弾く事が出来ます。要介護状態の高齢者であっても、円滑に意思表示を行うことが出来ます。

※画像は、公式HPより。クリックで公式ページに飛びます。

fv22次元キャラクターとのコミュニケーションを円滑にしたいという欲求から生まれた

非常に注目度の高い画期的な発明である「FOVE」ですが、開発者である小島由香さんは、まだ20代の女性です。小島さんは新卒時代からゲーム会社に就職し、ゲームプロデューサーを続けてきました。インタビュー記事において小島さんは、「仮想キャラクターともっと深いコミュニケーションがとりたかった」と話しています。ゲームの中のキャラクターにもっと感情移入したい。自分の喜怒哀楽がもっとゲームの中とリンクしていてほしい。そんな自身の欲求からFOVEは生まれました。

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shutterstock_252668938FOVEが革新的である理由

FOVEのアイデアはサンフランシスコ・シリコンバレーにおいても注目を集めています。「TechCrunch SF Disrupt」などの権威あるイベントにおいてもファイナリストとして選出されています。「VR」という言葉には「仮想現実」という訳語があてられますが、実際にはこれは誤りであると言われます。「Vertual」には「真の」という意味が含まれており、本来「Vertual Reality」には「もう一つの実在する現実」という含意があるのです。VR技術は日本では漫画の「ソードアートオンライン」のように、「現実ではない仮の世界に遊びに行く」といった文脈で語られ、応用されています。

しかし、本来的には新しい現実が創出されていき、人類の生きる時空が拡張されて行く、という非常にインパクトのある技術としてアメリカにおいては受容されているのです。現在のVR技術は音や触覚などあらゆる面で現実に肉薄していますが、そうした技術の粋が集まれば、そこには文字通りの「現実」が広がっているでしょう。「FOVE」の技術は、「現実感」の獲得に大きく寄与するはずです。「視線」に注目した発想は鋭く、それが評価される要因になっているのでは無いでしょうか。今後もFOVEにとどまらず、さらなる現実感の獲得のために新しい技術が生み出されていくはず。ラクジョブ新聞では、今後もVRの新技術について注目し記事に取り上げて行きます。