ゲーム業界に関わる方であれば、スマホゲーム市場が好調なことは誰もがご存知でしょう。10年前コンシューマーゲームを作っていた会社でも、今では全てのラインがスマホゲーム開発のラインになっている会社も珍しくありません。しかし、近年はそのスマホゲーム市場内部でも変化が起こっています。
スマホゲームと言えば、「パズドラ」「モンスト」「ツムツム」などのゲームが代表的です。今のスマホゲームのランキングを見ても、これらが上位をほど独占しています。しかし、これらは3年近く前にリリースされたタイトルであり、スマホゲーム市場発展の火付け役にもなったタイトルです。では、これ以降のスマホゲームはどうなのか。パズドラ、モンスト、ツムツムに追随するタイトルは数多くあれども、それを追い越すほどの人気タイトルは多くありません。端的に言ってしまえば、新規スマホゲームのヒットは年々難しくなっています。
しかし、一方でIPを使ったゲームにはまだ一縷の活路が残されています。2015年夏にリリースされた「Fate/Grand Order」は、まだリリースされて1年経っていないにも関わらず、ランキング1位を獲得することもある人気タイトルとなっています。ランキング一桁ともなれば、月商で数億円の売上になります。このヒットの要因として間違いなく原作となっている「Fate」の世界観やキャラクターへのファンの愛があります。「Fate」でのヒットを皮切りにIPホルダーは、IPのスマホゲーム化へ意欲的になっています。
アニメIPのプレッシャー
IPの中で一番代表的なものと言えばアニメでしょう。漫画やラノベも原作として成立しないこともないですが、情報発信力と情報発信量の総数から考えてもアニメからスマホゲームを作ることが一番費用対効果の高いIP活用法でしょう。
アニメをスマホゲーム化する際には2つの方法があります。一つはすでにアニメとして放送されたIPをスマホゲーム化することです。ただし、すでにあるIPの場合、大手の会社がすでに話を進めているケースも多く、人気IPを使えることはあまりありません。もう一つはこれからアニメ化される企画にスマホゲームを盛り込むことです。こちらの場合もIPとしての人気が確実なわけではなくリスクがあります。
そして、その両方で考えなければならないことが製作委員会の存在です。アニメ制作は1社提供で製作されるケースはほとんどありません。なので、基本的には一つのアニメを作るのに製作委員会が組成されて、各社が出資をし合い、それぞれの権利を持ち、それを活用することで利益を上げようとします。いわば、アニメは核であり、ゲーム会社はじめ各社はその核を最大化させることで、その作品から派生する経済効果を最大化させることが製作委員会という方法です。
大切なのはIPの最大化、企画性
つまり一番大切なことは、その製作委員会を納得させるだけのIPの最大化にかかる企画力です。製作委員会にとって、それがどんなゲームなのか、ゲーム会社が何を考えているのかは全く関係ありません。目的は最大化です。全ては原作ありき、アニメありきで始まります。ゲームの開発を担当するパブリッシャーやデベロッパーのリソースは一切考慮されません。極端な話「パズドラみたいなゲーム」であればガンホーに開発をお願いしたいという話になってしまいます。
良い言い方をするのであれば「原作、アニメへの愛」、もう少しビジネス的に言うのであれば「IPの最大化」こそが製作委員会、原作者サイドの思惑です。だからこそ大切なのは企画力です。現状で実現可能であるかどうかは関係ありません。選ばれるのはIPの最大化に最も寄与する企画1本だけです。その意味では、誰にでも可能性はあります。これからIPを使ってスマホゲームを作ることができるのは、そのIPのことを考えに考え抜いて企画を提案できるただ一人だけです。そして、そのIPにとってもそれだけの人が見つかることが最も幸せなのではないでしょうか。
これは実際にIPホルダーの方々からもお聞きする話でもあります。もし今後本気でIP原作のスマホゲームを作っていきたいという方がいらっしゃるのであれば、ビ・ハイアにご連絡ください。ビ・ハイアはアニメゲーム漫画業界のためにそのような方を全力で支援しています。