ソーシャルゲームの隆盛以来、イラスト制作の需要は衰えることはありません。ソーシャルゲームのキャラクター、モンスターは2Dイラストで制作されており、どんなゲームにも必ずイラストが必要とされています。一方で、必要とされているイラストのテイスト、技術は年々変化を遂げています。今回はどんなイラストがゲーム業界で求められているのかについてのお話です。
必要なくなりつつあるイラストジャンル
ソーシャルゲーム最初期はイラストのテイストやクオリティもめちゃくちゃでした。とにかくイラストの数が足らなかったので、甲乙問わず多種多様なイラストが受け入れられていました。しかし、ソーシャルゲーム業界も10年近い時を経て、必要とされなくなっているイラストも増えています。その代表格が厚塗り系のイラストでしょう。ガラケー時代はデバイスのスペックにも限りがあったので、できることが限られていました。できてもFlashでアニメーションをつけるくらいで、イラストのクオリティが全てでした。だからこそイラストのクオリティを極めていく方向性の厚塗りイラストが最高に必要とされていました。厚塗りイラスト1枚10万円が普通にまかり通っていた時代です。
しかし、デバイスがガラケーからスマホに変わったことによって、イラスト以外の表現の可能性が一気に広がりました。3Dもそうですし、ポチポチゲーと呼ばれていたゲーム性からRPG、アクション、クイズ、レーシング、スポーツなど、コンシューマーゲームに存在していたほぼすべてのジャンルのゲームをスマホ上で作り上げることができるようになりました。その中でイラストの重要性も相対的に低くなり、単価の高い厚塗り系のイラストの需要も少なくなっていきました。
今のスマホゲームはどこを見ているのか
では、できることの幅が広がったスマホゲームではどんなイラストが求められるようになっているのか。それを知るためには、今どんなスマホゲームが流行っているのか、今後どんなスマホゲームが流行っていくのかを知る必要があります。
まず第一の方向性はIPもの、原作もののゲーム開発です。スマホゲーム市場にも成長率の鈍化が見え始め、市場のゲームも飽和に近づきつつある現在、完全オリジナルのゲームをヒットさせることは日に日に難しくなっています。原作があり、元々ファンがいる作品をスマホゲーム化し、ある程度収益化が見込みやすい作品がスマホゲーム化されていきます。そこでイラストに求められることは、原作に似たような絵が描けること、原作の雰囲気を壊さないキャラクターを描けることになります。そのような理由からゲーム会社からは元アニメーターの人に描いてほしいという声もよく聞くようになりました。
次に乙女ゲームです。ゲームジャンルの中でも、アドベンチャーゲームは立ち絵や差分、スチルなど、イラストで構成される場面も多く、イケメンを描けるイラストレーター、胸がときめくようなスチルを仕上げることができるイラストレーターが求められてます。ただ、乙女ゲームに関しては、線画段階まで終わっていて、着彩部分だけをお願いしたいというニーズも多いです。また、この着彩部分に関しては、クライアントからのオーダーも厳しいので、そこに応えられるかどうかがイラストレーターの腕の見せ所です。
最後に18禁イラストです。DMMを筆頭に18禁イラストの需要は留まるところを知りません。人類の原動力はエロということなのでしょうか。毎回のコミケの盛り上がりからもわかるように、エロを楽しみたいというニーズとエロを描きたいというニーズは両存しています。また、最近DMMからはスマホ上でも18禁ゲームが遊べる野良DMMゲームアプリプラットフォームも展開を始めており、市場の拡大は今後も続きそうです。
イラスト以外にも高まりつつあるグラフィックニーズ
以上がソーシャルゲーム業界で現在よく聞くイラスト制作のニーズですが、先述したようにイラスト制作以外のグラフィックニーズも高まっています。例えば、3Dやコマ割りでのアニメーション表現、Spine、Sprite Studio、Live2D、などの専用ツールを用いたアニメーション表現、BISHAMON、Shuriken、After Effectsなどを用いたエフェクト演出などが挙げられます。これらに関しては、イラスト制作よりも技術が必要だったり、現場での作業が必要だったりするので、対応可能な会社は少ないです。まだチャンスがある領域だと言えます。
以上に挙げたIPもの、乙女ゲーム、エロ、3D、アニメーション、エフェクトなど製作できる会社を紹介してほしいというニーズがビ・ハイアにも多くいただいています。もしこれらに対応可能な会社様がございましたらまずは一度ビ・ハイアまでご連絡いただければと思います。ゲーム業界の更なる発展のために、ニーズの合う会社様同士をご紹介させていただきます。