アニメ ゲーム 漫画 コスプレは違法なのか適法なのか

Fotolia_80968127_Subscription_Monthly_Mコスプレとの出会い

記事を読んで頂いてありがとうございます。私自身コスプレをしたことはないですが、以前つきあっていた彼女がコスプレイヤーで、一緒にコミケ会場に行ったりしていました。そのときこんなにコスプレしている人がいるんだと初めて知ったわけですが、見ている側としてはとても楽しいです。似合っている人、似合っていない人、なんだか衣装自体の出来映えが微妙だなと思う人、衣装はかなり凝って作っているなという人などさまざまです。似合う似合わないは主観の話ですが、コスプレ自体著作権的にどうなんだろうと思ったことがあり、今回はそれを記事にしてみました。ちなみに当初の私の見解は個人が勝手に作って着る分には著作権法違反にはならないと考えていました。

ところで私が自分でコスプレをしなかった理由は単純になりたいキャラのコスプレが体型的、見た目的に出来ないのと、気に入っているキャラ自体が、想定されるコスプレをした自分のイメージとそぐわないため、自分でお気に入りのキャラのイメージをぶっ壊す感じがしてやりたくないというのが理由でした。今思うとやってみればそれはそれで世界が変わったのかもしれません。だから今後することがあるかもしれませんが、とりあえず今まではしてきませんでした。

Fotolia_68801753_Subscription_Monthly_M世界に広がるコスプレとその市場規模

そんなコスプレとの出会いからすでに10年以上が経過していますが、国内にとどまらず海外でも積極的にコスプレイヤーの方が増えています。そして2003年からは名古屋を世界会場として「世界コスプレサミット」が行われていて、2015年の参加国はこれまでで最大の28カ国からの参加がありました。日本初のカルチャーとしてコスプレが世界に広まっていくのはとても嬉しいことですし、これをきっかけにして日本の文化や日本そのものについて好きになってもらえたら幸せだなと思います。

さて話を戻してコスプレという行為についてですが、そもそも市場規模としてはどの程度あるのでしょうか?市場規模に関して矢野経済研究所が調査したデータがありますので、それを参考にしてみましょう。

引用開始

矢野経済研究所は、国内における「オタク」市場の調査を実施し、調査結果を発表しました。

矢野経済研究所が定義する「オタク」市場は、一定数のコアユーザーを有するとみられ「オタクの聖地」である秋葉原などで扱われることが比較的多いコンテンツや物販、サービスなどを指します。調査要綱は以下の通りです。

(中略)

●コスプレ衣装市場
市場規模は前年度比1.7%増の430億円。「コスプレ」が一般的な趣味と認知され、日本国内でハロウィンも定着。ライトユーザーの増加により市場は拡大しています。

引用終了

インサイド オタク市場調査が発表…同人誌市場は757億円、「サバゲー」ブーム到来の兆し、「現在も過去も恋人無」は31.2%など(矢野経済研究所調べ) より抜粋

いわゆるアニメ、ゲーム、漫画、ラノベなどの版権ものを取り扱ったコスプレと、サンタクロースやハロウィン、ナースなど版権ものに該当しないコスプレとどこまでが入っているのかはわからないですが、コスプレ衣装市場は成長しているようです。国内だけで430億円で海外も徐々に浸透していることから考えると、案外1000億円規模まで成長するのもすぐかもしれません。下手するともうなっていたりする可能性もあります。成長していくことは経済的に見れば良いことですが、版権ものを取り扱う場合、著作権を持つ個人ないし法人に許諾をとって製作し、販売していると思いますが、個人で製作している衣装はどういう扱いになるのでしょうか。

Copyright Laws Symbol Conceptコスプレと著作権

少し前の2013年にコスプレ衣装販売業者が逮捕されるニュースがありました。その件に関連して、弁護士ドットコムというサイトでコスプレ衣装に関する記事があり、コスプレそのものの違法性を考える内容でしたのでそれを取り上げてみたいと思います。

引用開始

今回の事件は、具体的にはどんな点が法律違反とされたのだろうか。コスプレイヤーが自分で、アニメや特撮番組のキャラクター衣装を作るのも犯罪になってしまうのか。著作権法にくわしい雪丸真吾弁護士に聞いた。

(中略)

「次に『コスプレイヤーが自分でキャラクター衣装を作る』場合ですが、基本的には著作権法違反にならないと考えていただいて大丈夫です。著作権法は、『個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(私的使用)を目的とするときは』使用者による複製を認めています(30条1項)。私的使用の場合、著作権者による許可は要りません。したがって、コスプレイヤーが自分でキャラクター衣装を作ったとしても、複製権侵害として著作権法違反となることはありません」

「ただし」といって、雪丸弁護士は次のように続ける。

「『誰かに作ってもらう場合』は、危険性が生じます。たとえば、自分が所属している、ごく小規模のコスプレサークルのメンバーのために作ってあげるという場合なら、『家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用する』という私的使用の範囲内と考えられますが、限界は明確ではありません」

このあたりは、グレーゾーンと言ってよいのだろう。

「なお、『複製の主体はあくまで使用する自分で、実際に作る人は手足に過ぎない』。したがって『法的には使用する者が複製していると評価できる』という理屈も有り得ますが、使用者本人が実際のコスプレ衣装制作作業に全く関与しない以上、なかなか容易には認められないと思われます。

引用終了

弁護士ドットコム 「コスプレ衣装」販売業者が逮捕された!アニメや特撮の衣装の「無断制作」は違法? より抜粋

個人的な見解と一部合致していましたが、驚くことに誰かに作ってもらう場合において危険性が生じるというのは驚きです。私的使用の範囲内に入る可能性が高いとは言え、これはちょっと気をつけておいた方が良いのかもしれません。とはいえ実際のところ個人で製作したのか友人に作ってもらったのか調べるのは大変だし、証拠をそろえるのも難儀しそうなので、そうそう認められることはないと思いますが・・・。

Business Cycle Income Profit Loss Recession Concept作者へのリターンが新たな作品を生む

今回どうして著作権法違反になるかどうかを調べたのかというと、アニメ、ゲーム、漫画、ラノベがあったからこそ、その原作を楽しむことができ、コスプレもできるわけです。つまりそういった恩恵を受けているのにもかかわらず、作品や著者、権利者に対して何のリターンもないというのは経済的にももったいないし、作品を好きだからこそもっと権利者に得るものがあって良いと思います。そうやって経済を循環させていくことこそ、新しい作品が生まれるきっかけになりますし、ファンがいることで権利者ももっと良いものを作ろうという意欲がわいてくると思います、今回調べた結果、私的使用に該当するためとくに違法ではありませんが、コスプレを通じて作品のファンと日本文化のファンが増えると良いなと思います。そして弊社もそういったファンに愛される作品が増えていくように、業界をこれからも支え続けていきます。業界発展!

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