2016年はアニメゲーム業界の営業が厳しくなります。
遊技機業界の規制ラッシュで大きなメーカーもバタバタ倒れた2015年。該当する遊技機メーカーと付き合っていた会社はもちろんのこと、他のメーカーと付き合っているところや、はたまた直接付き合いはないけれども遊技機の制作部分請けをしている会社としては、明日は我が身と案じつつ、自社を守るために一歩踏み出す必要に駆られるタイミングが到来してしまいました。弊社宛に相談が来る営業の悩みの3件に1件は「遊技機以外の販路を拡大したい」です。
そして、遊技機以外の販路とは主にアニメ・映画やゲーム業界。遊技機業界から別の仕事を求めて乗り込んでくる元遊技機制作会社はもちろん必死ですが、「遊技機は大変みたいですね〜」なんて、悠長に構えて隣の畑の話みたいにしゃべっている場合ではありません。これから一気に元遊技機制作会社が目の色を変えてアニメゲーム業界への販路拡大のために乗り出してくる2016年戦国時代の到来です。アニメやゲームをメインの事業にしている制作会社のみなさんは、必死な元遊技機系制作会社に今自分が座っている椅子を奪われることを意識して、防衛する必要があります。
アニメやゲームに照準を定める理由
もともと80〜90万前後で遊技機用の映像制作を行っていた彼らは、映像制作の仕事の中で一番単価も高く制作期間にも余裕が有り、独自の采配で映像の演出部分を決めやすい遊技機映像制作に(クライアントからの無茶ぶり対応を除いて)おおよそ満足してきました。ところが、2015年秋口ぐらいからどうやらクライアントからの要望云々と文句を言える状態ではなくなってきます。遊技機業界全体に規制の波が訪れ、次第に出せる機種も絞られてくると「このクライアントは不親切だから違う会社の仕事」という選択肢そのものがなくなってしまいます。倒産するメーカーも現れ、どの会社がいま開発を進めているのかという情報に加え、付き合った会社が倒産しないかということも営業するに当たって心配せざるをえない要素になりました。ほぼ開発が止まっている業界の中で、万が一仕事を持っている会社が見つかったとしてもそこが次には倒産するかも知れないし、納品した制作物が世に出ないかもしれない。そんな恐怖を感じながら仕事をするよりは、遊技機開発で培った技術力を使って別の業界に営業に行こう。そう考えた元遊技機制作会社がこれからアニメやゲームに照準を定めてくるのです。
元遊技機制作会社の強みは値下げ
元遊技機制作会社は、ハリウッドレベルのリアル系映像制作も得意です。かなりクオリティの高いものを仕上げてきた実績があります。ところが、1番のウィークポイントは、「アニメゲームの経験が無いこと」です。せっかく営業に行っても「経験がありません」では仕事は取りづらいです。レベルの高い映像を作ってきたので、今のスマホゲームモデリングなどを見る限り技術的には問題なく対応できそうなのですが、いかんせん経験が無いためにはじかれてしまいます。なにせ、スマホゲームのSAPさんも3Dに関しては最近導入を始めたばかりの素人なので、「経験が無い」というところに頼むのはリスキーなのです。頼むならゲームのノウハウを持っている3D会社に頼みたいと考えており、しかも遊技機業界は単価が高くスマホの制作には予算が合わないというイメージがあります。そこで元遊技機制作会社はそのイメージを逆手にとって「初回なので安くサンプルを作らせてください」という営業に出ます。サンプルだったとしても、ゲーム系の仕事を請けられることによって練習にも実績にもなりますし、安くすることでスマホ業界の担当者の遊技機に対するイメージを壊し、発注の心的ハードルを下げる作戦です。これは非常に良く効きます。
元遊技機制作会社の「値下げ」作戦は自分の首も絞める自爆技
「初回お試し発注」が成立してしまうと、ねんごろ関係になってしまうので非常に危険です。安い値段で、クオリティレベルの分かるものを納品されたら本発注に進まない理由は有りません。こうして元々ゲーム業界で頑張っている映像会社はどんどん椅子を奪われていきます。そして、この現象は実は元遊技機制作会社にもよくない状況です。一端安い値段で請けてしまうと次の仕事も安いままになってしまい、2回目以降値段を上げようとしても更に安い新規参入組に鞍替えされてしまう恐れがあるからです。「値下げ」は1発目には有効な営業手段かもしれませんが、業界全体の人月単価平均を下げるばかりか未来の自分の首も絞める自爆技なので、阻止せねばなりません。せっかくねんごろ関係になっても「私達のヨシミで安くしてよ〜」という関係はWin-Winではなくいつか喧嘩別れが訪れるでしょう。
関係構築は唯一無二を目指して
永く続き、新規に浮気されない関係性作りは「唯一無二であること」が条件になります。これから営業をかけていこうとしているスマホ業界は情報とノウハウに餓えています。仕事を受注する側としてへりくだるのではなく、ゲーム業界で3Dを作ってきた先生ポジションとしてメンターのように発注元担当者に「この会社に頼まないとゲームが作れない」と思わせる関係になる必要があります。ビ・ハイアの運営している経営者交流会には、仕事を探しに来る開発・制作会社の次に「とある参加者層」が多くいらしています。それは最新の開発状況について情報収集をしたいSAP層です。今までの開催でも、「自社のゲームの2Dをアニメーションっぽく動かしたいのだが、そういう技術を持っている会社がないか知りたくて参加した」「VRのゲーム企画を作成中だが、実際研究開発しているのはどういう会社なのか相談したくて参加した」など、時にはビ・ハイア経由で、時には「ゲーム業界 交流会」と検索して、開発における何かを解決したい会社さんが集まってきています。交流会は、ひたすらに自社の売り込みをする場ではなく、困っているSAPさんをゲーム業界の先輩として導く場です。常に交流会に参加して業界の最新情報やSAPさんの困っている内容に一番近いところで接して準備していくことで、「唯一無二の頼られる制作会社」になれます。新規参入に備える一番の方法は、クライアントが何に悩んでいるか情報をいち早く手に入れ、それについて誰よりも詳しく誰よりも実績ある先生ポジションにつき、クライアントの担当者を自社のファンにすることです。
次回3月9日の交流会にも、迷えるクライアントさんが多数ご参加されます。値下げに負けない関係性作りをお手伝いさせてください!
完全無料 アニメゲーム漫画経営者交流会は2016年3月9日表参道で開催!
【過去参加企業例】
アニメ:サンライズ、プロダクションI.G、ユーフォーテーブル、ライデンフィルム、トムス・フォト、エイベックス・エンターテインメント
ゲーム:スクウェア・エニックス、ガンホー、DeNA、ウォーゲーミングジャパン、サイバード、DMM.com、Toydea、グラニ
マンガ:KADOKAWA、講談社、マッグガーデン、宙出版、DML
その他:アドウェイズ、ヒーローズ、大都技研、アニメイト
などの企業の役員・プロデューサーの方々にお越しいただいております。
ご参加希望の方は下記のフォームよりご入力ください。業界発展につながるよう、多くの皆様のご参加をお待ちしております☆★