少し前にネット上で話題を集めた記事があります。こちらの記事です。
〇南場智子のDNA 私の仕事哲学 第1回 「給料をもらって仕事をしている自覚がないのか」
https://dena.com/jp/article/business/2016/01/14/002694/
この記事は、DeNA創業者の南場智子さんの仕事哲学についての記事です。仕事の場で「自分のモチベーション」の上下についてコメントする新卒社員に対して、「給料をもらって仕事をしている自覚が無いのか」厳しく言い放った南場さん。この記事は、ビジネスにおいてモチベーションといった個人の内面的な事情では無く、プロフェッショナルとして対価を出すべきだ、というメッセージが強烈に伝わってきます。
ネットに多かった反応その1「その通りだ!」
この記事は色々な所で拡散され、沢山のコメントがついていますが、特に経営者やフリーランスの人の個人ブログなどにおいては肯定的に評価しているものが多いです。仕事する以上、自分がどんな対価を出しているのかだけに向き合うべきだ、自分の感情を表面に出すべきでは無い。そんな主張が多く見られました。
ネットに多かった反応その2「それは厳し過ぎる」
一方で、この記事の下部にあるコメント欄にも見られる反応ですが、「それは経営者の詭弁だ」「労働力というサービスを提供してもらっている自覚が無い」などのコメントが連なっています。どちらかといえば新卒社員の立場に近い人達からのコメントでしょうか。
働く事について考えさせられる記事
この記事のfacebookにおけるシェア数は7000近くなっています。この記事は、読む人の心に波紋を生じさせる記事なのだと思います。経営者にとっては、「プロフェッショナリズム」も「報酬に対する責任」も、空気のように当然なものになっているので賛同を得ますが、労働者側の人にとっては「こき使われている」感じがするので反感を呼ぶのだと思います。
働く事について考得るときにオススメな本があります。社会学者マックスウェーバーの「プロテスタンティズムと資本主義の倫理」という本です。この本によれば、資本主義には三つの条件が存在します。「隣人愛の実践としての労働」、「利潤追求の正当化」「目的合理的行動」です。マックスウェーバーは、資本主義の成立の要因をキリスト教のプロテスタンティズムに求めました。ざっくり言うと、プロテスタンティズムにおける労働とは「他人の為に行うもの」であり、得られる報酬は「他人の為になったら結果的に貰える物」として説明されています。
プロテスタンティズムによって、「誰かに良い行いをしている人こそが神の意志の実現に忠実な人であるはずだ。そしてそんな人は、結果として高い報酬を得ているはずだ。そして高い報酬を得ている人は、出来るだけ合理的に、感情に流されることなく労働に励んでいるはずだ」とこういう理屈が生まれました。私達が仕事が出来る人=社会の成功者であり、いい人と見がちなのも、確実にプロテスタンティズムの影響をどこかで受けています。
働く目的は本当はお金じゃないのにお金だけが目的になっていて苦しい
ではなぜ、南場さんの記事がこんなに反響を呼ぶのでしょうか。それは正直みんな働くのが苦しいからです。働く目的は、プロテスタンティズムにおいては「倫理」でした。働く事は、本来お金を稼いだり自分本位の欲望を満たしたりするためでは無く、「神の意志の実現」の為にすることでした。今の日本だと、あまりぴんと来ない見解です。本物の資本主義なら、南場さんのセリフは「神の意志に背いていていいのですか」という意味になるはずだし、聞いている新卒の人も、「これは神の意志に背いている、私らしくも無い」とそう思うはずです。コメント欄もこんなに荒れないはずです。ところが日本人の多くの人はクリスチャンではありません。なぜ働くのか自分でよく分かっていないので、「給料もらっている自覚が無いのか!」と言われると「でもなあ…」と詰まってしまうのです。
なんで働くのか、自分で見つけないとずっと苦しい
とはいえ、マックスウェーバーを知っても知らなくても、仕事の現場は現場です。一定のアウトプットを出さなければ、会社は潰れるし日本のGDPも下がります。今回の南場さんの件も、9割方南場さんの方が正論です。しかし私達が働く上で、「自分が何故働きたいのか」という問題に自分なりに結論を持っていないと、いつ同様の問題に直面するともしれません。弊社のラクジョブを通じて仕事を探すまえに、自分が何故働きたいのかよく考え直して頂ければ思います。その時に、弊社の新卒採用のコンテンツは参考になると思うので読んで見て下さい。
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