先日、とあるゲーム開発会社さんにお伺いして、採用のご担当者さんにお話を聞いてきました。そちらの会社さんは、新卒や未経験も含めて広くゲームプログラマーを募集しています。ここ1、2カ月の間、年末年始で時間に余裕のできた人や内定先が決まっていない新卒からの応募が多くあったらしく、面接もいつもよりも多くできたそうです。
しかし、面接できた数は多かったにも関わらず、採用数はいつもより少なかったそうです。つまり、面接をした結果「この人は採用できないな」と思う人が多かったということです。その採用できないと思った理由に関して、その採用の担当者の方は、「ゲームを作りたい意欲がフワッとしている人が多かった」と言います。今回は、この話からどうすればゲーム会社から内定を得ることができるのかをお話します。
「あなたはなんでゲームを作りたいんですか?」
その方が「フワッと」していると感じたのは、なぜゲームを作りたいのか、なぜゲームプログラマーとして働きたいのかを質問した時だと言います。ゲーム会社への就職のための面接ですから当然想定される質問です。つまりこの質問を潜り抜けることができなければ、ゲーム業界で働くことは叶いません。なので、もう少し深く考えてみます。
「ゲーム会社で働きたい」という気持ちは、「仕事に就きたい」という気持ちと「ゲームが好きだ」という気持ちが混ぜ合わさっています。この「仕事に就きたい」という気持ちと「ゲームが好きだ」という気持ちのどちらが優先されるかによって、面接官からの見え方は大きく変わってきます。「仕事に就きたい」という気持ちが優先してしまっている人は危険です。仕事は数ある中でなぜゲームという仕事を選んだのか説明できないからです。「仕事に就きたい」という人は、「どうせ仕事をするなら、好きなゲームを仕事にしたい」と本心で思ってしまっているのではないでしょうか。それは絶対面接官から伝わります。まずはゲームに対する気持ちから見つめ直してください。
次に、「ゲームが好きだ」という気持ちが優先している人はチャンスがあります。しかし、ここでわざと少し意地悪な質問をします、「あなたはお金がもらえなかったとしてもゲームを作っていたと思いますか?これからもゲームを作り続けると思いますか?」。この質問に「はい」と答えられた人は面接官からも非常に好印象です。もちろん、面接官も「お金を払わずこき使ってやろう」と思っているわけではありません。では、なぜこの質問に「はい」と答えられる必要があるのでしょうか。
技術は教えられても、気持ちは教えられない
仕事でゲームを開発している人と個人でゲームを開発している人の間には雲泥の差があります。仕事でゲーム開発をしている人はそれで月に数十万円のお金をもらっています。個人でゲームを開発している人がごく一部を除いて月にそれだけ稼げている人はいないでしょう。就職してゲーム会社で働くということは、その雲泥の差を一瞬で越えることを本来求めています。
しかし、ゲーム会社もそれが無茶なことは重々承知です。未経験者を採用する以上、最初の数カ月、1年は使い物にならない、利益にならないとわかった上で採用します。その間にスキルを磨いて、現場で通用するレベルに成長して、仕事できるようになれば問題ないと考えています。その意味では、確かにゲーム会社はゲームを作りたい人にゲーム開発の技術を教えてくれます。
最低限求められるのは、全力でゲーム開発に取り組む覚悟
しかし、教えられるのはゲーム開発の技術だけ。ゲームを開発したいという気持ちまでは教えられません。そこを勘違いしている人がいます。技術もスキルも業界の常識も後からいくらでも覚えていくことができますが、「ゲームを作りたい」という熱意だけは自分で持っている必要があります。ゲーム開発会社にとっては、最初のうちは「お金を払って技術やスキルを教えてあげている期間」です。学校にいたうちはお金を払う側です。どんなにやる気がなくても、先生はゲームの作り方を教えてくれます。しかし、ゲーム会社に就職して、ゲーム開発の学ぶのであれば、それはもう仕事です。早く一人前になってゲームを作れるようになるために「最低限」「全力で」取り組む必要があります。
それにも関わらず、面接の段階で、「残業代はありますか?」「土日出勤はありますか?」と質問されては、「この人はゲームを作りたいんじゃなくて、自分に都合がいい仕事がほしいだけなんだな」と思われても仕方ありません。何も持っていない、プロとしてお金をもらって働くのに十分なものを持っていないのであれば、「ゲームをつくりたいです!全力で頑張ります!早く一人前になりたいです!」と宣誓することしかありません。一番大切なのは熱意です。面接官に「この人にならいろいろ教えてあげたい!一緒に仕事できる!」と思わせることです。もちろん本心からそう思っている必要があります。嘘をついて入社してもお互いにとって不幸な結果にしかなりません。「じゃあどうすればその熱意は…」という質問には、先ほども言ったように答えられません。教えられません。しかし、そのヒントであれば、この記事で紹介しています。興味がある人は合わせて読んでみてください。