これは、アニメやゲーム、漫画を楽しんでいるユーザー向けの記事です。以前、こんな記事を書きました。
「ゲームアニメ コンテンツ業界の衰退を招く無課金の美学」
ソーシャルゲームなどで、無課金であること誇らしげにコメント欄に書いている人がいますが、そのようなことが「善ですよということになると、コンテンツ業界は、将来的に衰退します。」というお話でした。コンテンツ業界全体で言えることですが、今回は、アニメ会社をフランチャイズのレストランの経営で例えたらどのような状態かを、お客さんが帰るところまで書きたいと思います。
フランチャイズ店とアニメ会社の役割の比較
フランチャイズのレストランとアニメ会社を比較した場合、細かい業務内容を考慮しなければ、フランチャイズ店の親会社がオーナー、アニメ会社でいえば、製作委員会にあたります。そしてフランチャイズ店の店長はアニメ会社社長です。そして、フランチャイズ店で働く料理人やウエイトレスは、プロデューサーやアニメーターや制作進行、料理はアニメの作品であったりBlu-rayなどの商品になります。
お店を作るまで
フランチャイズといえどもまずは資金が必要です。お店をリニューアルするための改装費、オーナー店で使用している機材、スタッフの補充など、料理を作る前にしなければならないことはたくさんあります。そのためにも、元出となる資金がたくさんかかります。そのため、銀行の借り入れやオーナーから出資が必要となってきます。
料理(アニメ)を作るまで
アニメは、飲食業界でいえば料理に相当します。料理人といえば、アニメーターをはじめとしたクリエイターの方々になります。毎回、オーナーからこんな新作料理を作って売って欲しいという要望がきます。そして予算と期間はこれくらいで作って欲しいとの要望もきます。ただ、オーナーからの料理のジャンルも様々で、和風もあれば、イタリアン、中華、スペイン、ベトナムと多彩なジャンルを要求されます。そうなってくると、店長や料理長は外部から専門の料理人を短期で雇いいれます。そして、製作に取り掛かるのですが、最近はオーナーからの新作料理の要望が多いことと、その割に予算が減少気味だったり、期間が短かったりします。本当だったらあの料理人に手伝ってもらいたいんだけど他の店を手伝っていてそれどころではなかったり、本当はもっとアルバイトを雇って手伝ってもらいたいなどと、店長や料理長は製作している状況です。最終的に料理人たちの努力により期限までに完成させています。
お客への評判とお客の対応
いよいよ、お客に新作の料理を出すところになります。感想はうまい、まずいなどいろいろありますが、ここが最大の問題で、ここで多くのお客さんが料理代を払ってくれないところです。飲食店に行ったとして、たとえ出された料理がまずかったとしてもお金は払うと思いますが、このお店では、まあまあだったり、うまかったとしてもお金を払ってくれないお客さんが多くいます。オーナーや店長、料理長からしてみれば、だいたい5000食くらいお金をはらってくれるお客がいれば採算がとれるのでいいと思っていますが、それすらなかなか達成できません。
売れないレストランは・・・
あまり売れないお店に対して、即店じまいということはしませんが、業務改善として、予算のカットや経費の削減がされます。当然のことながら、あまり売れていないのですから、次の料理のための資金も不足しますし、売れない料理しか作れないお店に対して、大量のお金を出資し、大きなリスクをおってでも出資したいというオーナーは少ないでしょう。そのため、店長は、少ない予算で、なんとかやりくりして制作しますが、いい料理が作りづらくなるのは間違いないでしょう。そうなってしまうと美味しいものが作りづらい、お金を払ってもらえない、予算が削られる、そしてさらに美味しいものが作りづらくなるという負のスパイラルに陥ります。加えて、料理を食べたお客が、外で批評したりすればさらにその負のスパイラルは加速するでしょう。
いいものはいいと評価しましょう
ここまでレストラン経営にたとえてアニメ会社のお話をさせていただきましたが、インターネット上で、「作画がだめ」「ストーリーがだめ」「原作に沿っていない」だから1話で辞めるという書き込みがあります。また、「予算を増やせ」「本数をへらしてクオリティーをあげろ」という意見が出ています。皆さん、いいアニメが見たいからこそ批判するのでしょうが、批判するだけでは何も良くなりません。むしろ評判が悪くなり、出資会社が減ってしまうリスクの方が高いです。それよりは、いいアニメをちゃんといいものだと伝える方が、今後のアニメ業界において、よっぽどプラスになります。「けいおん!」が深夜にアニメを見ていなかった女性層を取り込めたのも、「ガールズ&パンツァー」がミリタリーオタクからの評判がいいのも全てインターネットや口コミで広がったことです。以前の記事にも書きましたが、コンテンツを買ったり、課金したりすることは、将来新しいコンテンツを生み出すための投資です。それをもとにもっといいものを作ろうとします。そのため、コンテンツに対して投資したい人はどんどん投資してもらえればと思います。一方、経済的に厳しいという人でも情報配信は可能でしょう。いいコンテンツをいいと評価したり、認識していなかった人にいいコンテンツを伝えて、潜在顧客を増やすことは皆さんが求めているクオリティーの高いアニメ、面白いゲームへとつながります。
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