首都圏でテレビアニメを見ようと思えば、まず思い浮かぶのが「東京MX」ですよね。そのほかには、「tvk」や「チバテレビ」「テレビ埼玉」などが多くやっています。今回は、視聴率が下がり続けているキー局と地方のテレビ会社の業績を見て、アニメの将来性に関して書きました。
テレビアニメの制作費はどんな会社から出ている
アニメタイトルごとに組織される製作委員会が制作費を持ち寄って制作されます。そこには、テレビ局、CMスポンサー、出版社、レコード会社、アニメ会社、版権会社などなどで構成されます。そして、そこでの出資額に応じて、イベントやグッズ、Blu-rayやDVDなどの売り上げなどの収益の配分などが決まります。
今回、なぜテレビ会社に注目したかといえば、テレビ会社の主な収益は、CMスポンサーによる広告収入によるものが最も多くの割合を示します。そのため、CMスポンサーにとってどれだけの宣伝効果があるかが一つの指標となります。視聴率が高ければ、より広告宣伝費を高くしてもスポンサーが付きますし、視聴率が伸びなければ広告費を下げてもスポンサーが付かないということもあります。それによって、番組制作費にも影響します。今の30分のアニメ制作が1話あたり、1000万から1500万ほどです。それに比べて、ドラマやバラエティ、ニュース番組は、だいたい1000万から、人気タイトルになれば5000万円の制作費をかける番組もあります。
キー局の視聴率は
では実際、キー局の視聴率に関して見てみましょう。図は、2005年から2015年までのキー局「NHK」「日本テレビ」「TBS」「フジテレビ」「テレビ朝日」「テレビ東京」のゴールデンタイムの視聴率のグラフになります。これを見るに、「日本テレビ」が1%弱の減少を除けば、他のどの局も2%以上の減少、「フジテレビ」に関しては、5%ほどの減少になっています。先日も、フジテレビで長年やってきた「ライオンのごきげんよう」の放送終了が決まる(フジ「すぽると!」終了 平日深夜枠も改革、3月いっぱいで幕)など、各社、どんな番組を視聴者が求めているのか模索しているという状況です。
若者のテレビを見る時間が減った?
その一つの原因は、若者のテレビ離れが進んだことではないでしょうか。インターネットや、YouTube、Huluなどの動画配信サイトの普及と今までにない形で視聴形式になっています。それにこれが根本原因かまだ検証されていませんが、常時最初から見えるたり、停止や巻き戻しが自由に聞く動画と違い、リアルタイムでかつ自由の効きづらいテレビを敬遠する傾向があるようです。
なぜNHKがなぜアニメタイトルの再放送をしだしたのか
最近、時より話題に上がるのが、NHKでの人気アニメの再放送のニュースです。2016年冬アニメでは、「ラブライブ!」を放送し(https://www9.nhk.or.jp/anime/lovelive/index.html)、春アニメでは「けいおん!」の再放送を予定しております(https://www.nhk.or.jp/anime-blog/0010/235489.html)。これは、アニメコンテンツへの一定の注目が集まっているからではないでしょうか。キー局が視聴率を落としているという事実の一方で、ここ数年、地方局にもかかわらず、業績を伸ばしているテレビ局があります。それが「東京MX」です。このテレビ局といえば、アニメというイメージがあるのは私だけでしょうか。毎日、深夜23時から27時にかけて、何本もアニメを放送する局です。しかも、ここ最近のアニメタイトルの増加や一話あたりの制作分数の減少によって、5本以上放送するという曜日もあったりします。そんな「東京MX」の業績はこちらです。
2014年度、2015年度上期と業績を伸ばしております。MX側もアニメコンテンツに活路を見出していると感じているのか、2014年度には、アニメコンテンツ制作に力を入れたため、営業利益が減っております。しかしながら、この傾向はアニメ業界にとっては興味深い傾向ではないでしょうか。深夜に毎日アニメを放送しているMXが業績を伸ばしています。将来的にキー局には、視聴率では測ることのできないコンテンツによる収益性についても考えてくるのではないでしょうか。そうなればたとえ深夜だとしても、予算をかけたアニメ制作を行うようになるのではないでしょうか。いいように噛み合った例が、「機動戦士ガンダムSEED」ですね。人気タイトルと放送時間がゴールデンタイムに近い休日夕方ということもあり予算が集まったのでしょうか。1話3000万円ほどの制作費がついたと言われています。
今は、TVアニメや劇場版、最近は、規制の影響で減少気味ですが、パチンコパチスロの映像制作など、純粋にアニメの仕事が増えた分、仕事に対する負担がかなり大きくなってきていると思います。しかしながら、厳しい業務の中、TVや劇場版のアニメタイトル一本一本のクオリティーを高めていくことは、将来的な評価にもつながります。視聴率の不振で嘆くテレビ業界が、コンテンツビジネスでの成功例を増えていけば、テレビ業界内でのアニメというジャンルへの評価も変わり、予算が増えていくのではないでしょうか。加えて、クールジャパン制作として、世界に日本のアニメを売り出そうとしている今が一番の踏ん張りどきであり、チャンスのタイミングではないでしょうか。
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