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2016.01.18 今後の深夜アニメの大胆予想!宣伝としてのTVアニメ、玄人のための劇場・有料チャンネル配信・OVAでのアニメ化

まずはこちら、こちらのデータをご覧ください。

アニメ業界、なぜTVアニメタイトルの増加と放送終了後の劇場化が増えているのか?
https://raku-job.jp/news/recruitment/2335/

こちらには、2010年から2013年までのTVアニメの制作タイトル、制作分数、劇場アニメの制作タイトル、制作分数とBlu-rayやDVDの売上の推移が書かれていますので、もしよろしければご覧ください。

以上の記事には、アニメタイトルの本数や劇場版の本数が年々増えているということを書きましたが、では増えているアニメのタイトルはどこからもってくるのでしょうか。

アニメの原作ってどんなものがあるの?

gensaku

こちらの図は、「日本におけるテレビアニメ放映データの分析」という増田 のぞみ・東 園 子・猪 俣 紀 子・谷本奈穂・山 中 千 恵によって書かれた論文で使われている図になります。

情報が古いため、1990年代から2000年の変化の割合で変化したと想定すると、アニメが22%、漫画が29%、ゲームが18%、小説が9%、グッズが2%と想定します。そう考えると、アニメのオリジナルタイトルが減っていく一方、漫画やゲームや小説やグッズという他媒体の原作が多くなってきています。この4つの分野だけで約6割、アニメのタイトル数も現在、年間300本近く制作することを考えれば、原作ありのアニメがかなり増えてきています。

71Bc+MlVNKL._SL1351_さらに詳しく見えていけば、ストーリー、セリフ、カットまである漫画のシャアが一番多く、次に、キャラクターデザインや背景や大まかなストーリーのあるゲーム、ストーリーとセリフが決まっているが、キャラクターの情報や背景情報が乏しい小説の順となっています。

最近では、「戦国コレクション」を皮切りに、「絶対防衛レヴィアタン」「進撃のバハムート」、2016年冬アニメでは、「ディバインゲート」の放送もやっているソーシャルゲームが各クール1、2本ずつのペースでは行ってきています。左の画像は、amazonより、進撃のバハムートGENESIS初回限定版1巻のパッケージになります。

ソーシャルゲームもライトノベルと同じようにキャラクターや背景、ストーリーの設定が総合的に少なく、放送されたアニメも少ないです。こう見てみると、アニメ化にあたって、原作の情報が多い方がアニメになりやすいということです。

現在、アニメは、年間300本ほど放送されています。そして年々増加傾向です。以前は、あのタイトルが面白い!という話題が先行して、多少内容を見てアニメがスタートという印象がありました。しかし、最近では、このタイトル聞いたことがないとか、かろうじて書店でタイトルと表紙を見たことがあるという作品が多くなってきた印象です。どちらかといえば原作の宣伝のためにアニメ化しているという印象を持ちます。実際アニメ化した作品はどうでしょうか。

ラブライブ!(音楽原作)
アニメ放送以前 平均1600枚(シングル16枚)
TVアニメ1期放送開始後 37700枚(シングル10枚)
TVアニメ2期放送開始後 68900枚(シングル10枚)
劇場版アニメ上映後 98000枚(シングル6枚)

参考サイト(https://anisonsinger.blogspot.jp/2013/09/school-idol-project.html︎)

うたの☆プリンスさまっ♪
アニメ放送以前 平均6200枚(シングル7枚)
TVアニメ1期放送開始後 平均25700枚(シングル13枚)
TVアニメ2期放送開始後 平均38400枚(シングル14枚)
TVアニメ3期放送開始後 平均34200枚(シングル11枚)

参考サイト(https://anisonsinger.blogspot.jp/2013/09/blog-post_191.html︎)

だがしかし(漫画)

2016-01-18 16.52.33

引用記事 https://mantan-web.jp/2016/01/16/20160116dog00m200027000c.html
引用始め
アニメ化が発表された2015年9月の時点では1~2巻で約45万部、1巻あたり20万部強だったが、12月18日のコミックス4巻発売で累計約120万部に急増。さらにアニメの第1話が放送された後の2016年1月10日までに約160万部まで伸ばし、1巻あたりの部数も約40万部になった。最近は深夜アニメの本数が増え、アニメ化された原作マンガでも売り上げ部数を伸ばせないことも多い。
引用終わり

「ラブライブ!」はもともと9名の声優ユニットとして売り出し、何枚かのCD販売後のアニメ化によって、音楽CDの方の売り上げが20倍以上に伸びました。「うたの⭐︎プリンスさまっ♪」は、ゲーム原作でしたが、音楽関連で人気が出て、4倍以上の売り上げになりました。漫画の「だがしかし」は、だいたい全クールの初めごろにアニメ化決定と放送時期情報が解禁され、そこからの売り上げが今までの倍以上になったということです。最近、深夜アニメが多く全ての作品でそのような売り上げの増加が見込めなくなってきていますが、実際のPRとしては、全国の数千万人単位に向けて配信できるためこれ以上の媒体はないです。

しかしながらこの話は、原作者や出版社側の話であって、アニメの製作委員会やアニメの制作会社が儲かるというわけではありません。後者の会社に収益が入るとするならば、放送終了後のBlu-rayなどの円盤の販売による収益が製作委員会での収益となり、その一部が元請けのアニメ会社に行くというわけです。ただ現状は、Blu-rayの売り上げは実際ほとんどのタイトルでよくありません。よく聞くのが最低5000枚売れたら、まあまあ売れたという形で、TVシリーズアニメ1つでだいたい6本前後のBlu-rayを出しますが、コンスタントに超えれば、2期の放送に見えてくるという数字です。ところが、毎クール30本から40本ほど放送している深夜アニメでも5000枚を超える作品は、5、6本程度になります。製作委員会にとっては、あまり美味しくないビジネスモデルですし、アニメの制作会社も円盤が売れなければロイヤリティーも増えないので、なかなかに厳しい経営が続いてしまいます。

shutterstock_324407423本当にいいものは少しだけ

一方、視聴者はというと、30から40本出して、2期につながるほど面白いという作品が数本しかない状況に、毎回のように本数を落として、クオリティーを上げてくれというコメントをよく目にします。

たくさんのタイトルを宣伝してどれか売れれば嬉しい原作サイド、あまり収益が見込めないことに大きく出資できない製作委員会。短い期間と安い予算でたくさん作らなければならないアニメの制作会社。作り込みが甘いと批判し、円盤を買わない消費者。どこも嬉しくない状況になっているような気がします。

ではどうしたらいいのでしょうか。そもそも今の放送形態に問題があるのではないでしょうか。今、最も多い放送のパターンが、1クール12、3話を放送し、評判がよければ、2期や劇場版、OVA化にするという形式です。この場合だと1話あたり平均1500万円ほどかかるTVシリーズ、1タイトルだけでだいたい2億円ほどかかります。制作分数も1話、CM抜きで25分くらいとして、約300分、2時間映画3本分に相当します。では、その作品の魅力を伝えるだけにこれだけの時間は本当に必要なのでしょうか。

初期投資を抑えてアニメの宣伝をする方法としては幾つか考えられます。

shutterstock_57973570ショートアニメによる宣伝

最近では、3分から15分という短い時間のアニメが増えてきています。「ていきゅう」が7期まで放送したりや「ヤマノススメ」が5分アニメから15分アニメに拡大放送されたりと、魅力のある作品であれば、この時間でも十分宣伝効果は見込めるでしょう。この放送形式であれば、4コマ漫画とも相性がいいですし、そもそも漫画や小説の1話がそのままアニメ1話分になることはほとんどなく、複数話分をまとめて1話にしてアニメにするという形が多いです。そのため、ショートアニメーションとしても十分楽しめるものになります。1話にかける予算を抑えながらも

クオリティーをしっかり出せるのではないでしょうか。

 

 

1クール、複数タイトルによるの大量放送2016-01-18 17.13.39
2015年の秋クールのアニサン劇場では、1タイトル3話で「今際の国のアリス」「姉ログ」「ノゾ×キミ」「ファンタジスタ」という4タイトルの放送が行われました。この方法であれば、原作サイドは同時に多くのタイトルの紹介ができますし、複数の会社に同時に依頼することもできるので、各アニメ会社でスケジュールに余裕が出てくるのではないかと思います。

これらの方法のメリットとしては、1タイトルあたりにかける初期投資が減るということと、収益性のいい劇場版や有料配信、OVAの足がかりにしやすいということです。視聴者としては、お金を投じてまで観たいと思ってくれている作品なのでクオリティーの高いものを要求されます。

ソーシャルゲームの有料ガチャの課金みたいな形式にはなってしまっていますね。ただ、この方法であれば、出版社や原作者は、より多くのものを宣伝でき、製作委員会は、より期待度の高い作品に注力して資金を投入でき、アニメ会社は、資金とスケジュールに余裕を持って、よりクオリティーの高い作品制作ができます。そして、視聴者としては、お金を払ってでも観たくなるような作品がどんどんうまれてくるのではないでしょうか。

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