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2016.01.04 良い転職と悪い転職を考える 人間関係が嫌だ・・・社風が嫌だ・・・で転職するとどうなりやすいか?

明けましておめでとうございます。ビ・ハイアの床井です。この記事を書いているのは2016年の1月4日です。早朝の駅のホームは、田舎から戻ってきた人でごった返していました。今日から仕事始めという方も多いと思います。ところで皆さん、「ブルーマンデー症候群」という言葉はご存じですか?これは日曜日の夕方から、翌日の仕事の事を考え出すと、憂鬱でしょうがなくなってくるビジネスマンに特有の症状を指す言葉です。別名「サザエさん症候群」と呼ぶこともあります。

20160104人間関係が転職の本音のTOP

こんな言葉が流行ってしまうくらい、日本には「仕事始めの憂鬱さ」を感じている人が多いと言う事でしょう。仕事が嫌になったときに、今の職場を転職するという選択肢もあります。転職の動機について調査したこんなデータがありますので見てみましょう。これは、リクルート社が「転職した理由」について調査を行った物です。転職理由の本音は、4割以上が「人間関係」であると言うことがわかります。

現代の多くのビジネスマンにとって、憂鬱の種は職場の「人間関係」であると言えそうですね。ではビジネスマンは、具体的にどんな「人間関係」に悩んでいるのでしょうか。こちらはエンジャパンの調査ですが、「仕事での人間関係」について良くまとまっているので引用します。

「仕事での人間関係」について
https://mid-tenshoku.com/enquete/report-31/

こちらの調査によれば、人間関係のストレスの中でも、「上司との関係」「同僚との関係」「部下との関係」が特に大きな要因であるという事が分かります。つまり多くのビジネスマンは、社内の人間関係によって最もストレスを感じて居るのです。「人間関係」がこれほどまでに負担になる理由として、こんな説を主張する識者がいるのでご紹介します。

tyounouryokusyugi教育社会学者の本田由紀さんは、現代の日本において、「人間性」や「コミュニケーション能力」といった力が日本の社会においては必要とされている、と主張します。以前であれば、例えば特定のスキルであるとか資格を習得していれば職場においても評価を受けやすかった。

しかし最近の日本では、それに加え「その場の雰囲気を読む力」であるとか、「年長者のご機嫌を取りつつも、自分の意見を上手に主張する力」などの能力、言うなれば「生きる力」が求められるようになっていると主張し、こうした状況を「ハイパーメリトクラシー」(超業績主義)と表現しています。

単純にMayaやphotoshopが使えるだけではダメで、職場の中で上手く立ち回って人間関係をコントロールして現場を引っ張っていく力。そんな、一昔前であればディレクタークラスしか要求されなかったような能力が、今やクリエイター一人一人にも要求されるようになってきています。例えば、現在ラクジョブに記事掲載のある「ポイントピクチャーズ」という映像制作会社は、アニメ業界でも珍しいくらいの好業績・雇用環境(深夜勤務勤務なし、育休もとれる)を実現しています。この会社の代表・吉野社長は、アニメ制作について独自の哲学を持っています。この会社の特集記事があるので引用しましょう。

アニメプロデューサーも狙える制作進行経験者募集求人について

アニメプロデューサーも狙える制作進行経験者募集求人について

アニメ制作で重要なのは肉体労働でしょうか。肉体の強さが最終的な作品のクオリティに繋がるなら、全員筋トレをすればいいはずです。そんなことはありませんよね。宮崎駿監督、押井守監督等はムキムキのマッチョでしょうか。そんなことありません。最低限健康なほうがいいに決まっていますが、肉体の強さ=アニメ制作のクオリティの高さではないはずです。

それなら、最も大切なのは何かというと『想像力』『面白い作品を考える思考力』『クリエイターをまとめ上げて一つの作品にする能力』ではないでしょうか。それは肉体というよりは思考能力、考える力です。気遣いも入ってくるでしょう。

アニメにおける制作進行は、他の会社では「アニメーターから現状を回収して回る仕事」というのが一般的です。しかし、この会社の制作進行は「想像力」やコミュニケーション能力」などのプロデューサーに近い能力を活かし、生産性を高めるよう指導されており、結果として高い業績が実現されています。このように、肉体労働の時間数や単純な技能だけでない幅広い能力を備えている人材こそが現在求められており、そうした人材のそろっている会社ほど高い業績を出しているのです。このように、一人一人が高い能力の発揮を要求されていることが、職場における大きなストレスになっていると言う事が考えられます。上司との関係、部下への教育、同僚との競争意識・・・。物事の判断基準が人によってまるきり違う複雑な社会だからこそ、悩むことが多くそれが負担になっているのでしょう。しかし人間関係がしんどい、そう思ってしまったときに一番お奨め出来ないのは、転職してその場から逃げ出すことです。理由の第一としては、先ほど述べたように人間関係のストレスというのは現代病のような物でどこに行っても付きまとう物だからです。今の人間関係を抜けだしても、自分の能力が変わらなければ転職先でも同様の問題に悩む可能性が高いでしょう。

201601042

転職しても結局人間関係で悩む

・・・エンジャパンの調査によれば、人間関係を理由に転職した人のうち、問題改善したと答える人はどの世代でも3割もいません。また、転職をすればするほど生涯年収は下がる傾向にある、という客観的な統計もあります。

このように、転職回数が多くなればなるほど、年収は確実に下がって行ってしまいます。仕事が嫌だ、そう日曜日の夕方に思ってしまったなら、状況はどこに行っても同じだとまずはそう考えて見てください。そうすれば感情に流されて損をしてしまうこともありません。

syougaitingin転職すればするほど年収が下がる

今の職場が嫌だ、そう思ったなら、確認して欲しいことがあります。あなたは、何のためにその職場に入りましたか?ほとんどのクリエイターは「ゲーム作りをしたい」「アニメ監督になりたい」そんな夢をもって業界にやってくるのだと思います。

では、今の職場でその夢に向かうための十分な技術や技能は得られますか。自分で選んだ職場なら、まるきりずれた仕事をしていると言う事は少ないと思います。もし上司と合わないとか、部下の扱いに困っているようなら、それも含めて自分の能力向上のための機会なのだと考え直してみてください。

東京商工リサーチが発表した結果によると、倒産した企業の平均寿命は23.5年だと言われています。つまり今いる会社も、自分が生きている間に潰れる可能性が高いと言う事です。今どれほど職場を嫌に思っていたとしても、ずっとそこに留まっているわけではないのです。それなら、今感じているストレスも、自分の器を磨くツールなのだと考えて自分の市場価値を高めるのに利用してしまいましょう。それでは最後に、この記事にぴったりな本をご紹介して締めくくりたいと思います。

81up5DFy9hL._SL1500_「嫌われる勇気」

2014年のベストセラー本です。人間関係の悩みにとらわれずに、自分の課題は何かしっかり意識しましょう、と言う事が書いてあります。周りに合わせず、自分の軸を持って行動することは、時に付き合いづらい印象を人に与えるかも知れない。でもあえて「嫌われる勇気」をもちましょう。そんなメッセージが込められた本です。ベストセラーになるくらいですから、きっと日本中に人間関係に悩むビジネスマンがいるのだと思います。でも、職場は人間関係に悩みに行くところではありません。あなたが技術を磨き、人間としても成長し、そしていい作品を産み出しに行くところです。ギークでオタクなクリエイターさんにこそ、周りに流されずに自分の道を追求して欲しいと思います。

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