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2016.07.15 就活 転職 長時間労働に上限案 生産性重視になっていく社会でやらなければならないこととは?

2016-07-15 10.44.37財務・厚労省が原案を公表

7月15日の日経新聞の1面に、「働き方改革で成長底上げ 残業時間に上限など」という見出しで、財務・厚労省が育休拡大、一部業種に残業時間の上限を導入することなどが目玉となる原案が14日明らかになったというニュースが報じられています。

(引用開始)

財務省と厚生労働省が経済対策の目玉として盛りこむ働き方改革の原案が14日、分かった。残業時間に上限を設けるなどして長時間勤務を抑制するとともに、最低賃金の20円超引き上げや雇用保険料の大幅な引き下げで働き手の所得を増やす。女性や高齢者など働く人の裾野を広げつつ、働き方改革に取り組む企業も支援し、経済成長を底上げする。

(引用終わり)
日経電子版「働き方改革で成長底上げ 残業時間に上限など」より(https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS14H27_U6A710C1MM8000/

日本の残業、長時間労働はブラック企業問題などと併せて日本の労働問題の中でも主要なものの一つです。企業が従業員に残業を命じる場合は労働時間の超過理由を明記した協定である「36協定」を結ぶ必要があります。労働基準法36条では労働時間を原則1日8時間、週40時間と定めており、これを超えて業務を行うことを命じる場合は36協定を結ぶのです。特別条項をつけるとどこまでも残業できる仕組みになっており、過労死ラインを平気で超える企業が後を絶たず、これも問題になっています。厚生労働省によれば、2013年の時点で半数以上の企業が36協定を結んでおり、日本の企業の大半は残業ありきで回っているということになります。

2016-07-15 10.40.58世界の労働時間と日本の長時間労働

日本は長時間労働大国であるということは周知の事実ですが、改めて日本がどれだけ長時間労働の国であるのか、ということを見てみましょう。こちらのグラフは日本を含む先進国6カ国の労働時間の比較です。英国、フランス、ドイツ、スウェーデン、アメリカのどの国と比べても多いのです。

2016-07-15 10.41.51しかし公益財団法人 日本生産性本部の発表によると、国際的に見た労働生産性においては、日本は23位。グラフの国の順位をみてみると、英国19位、フランス7位、ドイツ15位、スウェーデン12位、そしてアメリカは3位です。このグラフの中で一番働いているはずの日本が、一番生産性が低いのです。長時間労働をしたからといって生産性が上がるわけではないことが叫ばれ始めて久しいです。今回の原案では残業に上限を決め、最低賃金を引き上げ、雇用保険量を値下げし、育児休業給付金の期間を延長するなど、労働者にとって一見プラスなことが盛り込まれています。もし原案がある程度形になったとしたならば、今後は長時間労働をしてさえ生産性があがらなかった人材を、上限を設けてどのように一人ひとりの生産性を上げていくのかということに注力しなければなりません。

Handsome hipster working at deskアニメゲーム漫画業界と長時間労働

長時間労働といえばアニメゲーム漫画業界です。そもそも今回のニュースは労働基準法が適用される人材についての話で、業務委託として働いている人にはさほど関係がありません。労働基準法をはじめとする労働関係法令が適用されないため、年次有給休暇の付与、解雇予告手続き、最低賃金の適用などの義務が無いのです。例えばアニメーター、特に動画マンなどの給料が低いのは業務委託として人材を確保し、1枚200〜250円ほどの歩合制で賃金が発生するためです。そもそも雇用契約を結んでいないため、現在の法制度上は違法ではありません。個人事業主としての契約は全て自己責任です。もし「業務委託として採用する」という風に言われた場合、先述の労働法が適用されない等、個人事業主と労働者の違いをしっかりと吟味し、自分がやりたいと望み、自分で選択したことに責任を持った上で目指されてください。もちろん、ラクジョブ新聞では業務委託ではなく正社員として募集をしているところもたくさんあります。求人情報はページ下部にまとめてありますので、是非ご確認ください!

Freelance work.Casual dressed man sitting at wooden desk inside garden working on computer pointing with color pen drinking coffee gadgets dropped around on table side view長時間労働から生産性重視の方向へ

冒頭で取り上げた日本経済新聞の記事には続きがあります。

(引用開始)

個々の働き手の能力を引き出すには、労働時間ではなく成果に賃金を払う「脱時間給」制度の早期実現が不可欠。導入されれば、より柔軟で効率的な働き方が期待できる。

(引用終わり)

要するに、時給による給料体系を廃止し、成果に対して報酬を払うという方向に進んで行くのです。生産性に時間が関係ないのであれば、成果に対して報酬を払うようにしなければモチベーションは上がらない、そのような考え方になるのは至極当然です。今までは自分のやりたくない仕事でも、労働者として時間を費やしていればお金がもらえました。しかし今後、やりたくないと思った仕事でも頑張って成果を上げなければお金が貰えません。さらに労働基準法が現行のように長時間労働を認めないというようになれば、少ない限られた時間でやりたくない仕事を猛烈に頑張って成果を出さなければ、どんどんお金がもらえなくなっていきます。制限時間付きの個人事業主のようなものです。最低賃金などは時間給ありきの考え方ですから、生産性重視となれば極端な話で廃止になってしまう可能性もあります。

今働いている人たち、それから就活、転職活動をしている人たちが早速取るべき行動は単純で、「他人の意見に左右されず、自分がやりたいことは何か」ということを考え続け、出した答えに全力で取り組むことです。そうしなければ近い将来、「やりたくもない仕事を仕方なくやり続け、生産性もあがらず、お金ももらえずに貧乏になっていく。以前まで守ってくれていた労働基準法の形も変わり、生産性のないあなたが悪いのでしょう」というシナリオが待っているかもしれません。真剣に考え、自分の本音と仕事に向き合う人が少しでも増えて頂ければ幸いです。

記事を読んでいただきありがとうございました!

 

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