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2016.07.07 参議院選挙まであと3日 誰に投票すべきか分からないアニメゲーム漫画のファンへ  アニメゲーム漫画を支える「表現の自由」について考えた

seisakushinkou表現の自由について

記事を読んでいただきありがとうございます。今回は、参議院の選挙も近い、という事で珍しく政治的な話題について取り上げて行きたいと思います。選挙期間だからと行って仕事の忙しさは待ってくれませんから、なかなか選挙の事について考える時間も無いかもしれません。でもこの記事を読んでいる間は、仕事の事だけではなく、アニメゲーム漫画業界に関わりの深い政治の動向についても考えていただきたいと思います。

今回の話題は「表現の自由」について書きたいと思います。日本はアニメやゲームなどの創作物について、文化的に許容される幅が広い国だと言われてきました。イスラム教の国ほどエロ要素に厳しくは無いし、グロ表現についてもそこまで厳しい規制はありません。宗教的なタブーがあまり無いので、表現者にとっては居心地の良い国、それが日本であると言われてきました。

そんな日本の表現への寛容さを後ろから支えてきたのが、憲法に明記されている「表現の自由」です。表現の自由とは簡単に言えば、「自分の思うことを何ものにも束縛されず、自由に表明、発言する権利」の事をいいます。これがある事で、日本という一つの国の中で色々な価値観が共存出来るのです。

表現の自由は、日本国憲法では21条にその根拠があります。引用してみましょう。

“第二十一条  集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。”

51sRsdhuz2L._SX339_BO1,204,203,200_憲法とはそもそも、「国家との付き合い方」についての集団的な取り決めのことを言う

選挙も近いので、ここで少し憲法についておさらいしておきましょう。「憲法」というのは簡単に言うと「国家と私たち市民がいかに付き合って行くかという決まり」のことを言います。単純化して言うと、国民の方から国家権力に向けて「これとこれとこれは干渉しないで放っておいてくださいね。これとこれについては皆で守る為にルールを決めたので、キチンと取り締まってください」という具合に要求しているのが憲法です。

「表現の自由」は、広く言うと「自由権」(国家から制約されずに自由に行動して発言出来る権利)の一つに含まれます。「自由権」は、もっと広く言うと「基本的人権」の一つに入ります。「基本的人権」は、「人が生まれながらにして持っている権利」の事です。つまり、「自分の思う事を自由に表現する」事は、「人が生まれながらに持っている当然の権利」であると言う事になります。

「表現の自由」は、「人が当然持っている権利として、国家が保障してください。」、「検閲などをして、当然の権利を邪魔しないでください。」というのが憲法における「表現の自由」の意味です

41gmoL7-mBL._SX342_BO1,204,203,200_表現の自由はどうして重要なのか

表現の自由は、基本的人権の一つとして、とても重要な地位を与えられています。これだけ重要視されている理由の一つには、表現の自由が民主主義の存続の為に必要なものであるから、という理由があります。表現の自由を担保することで、国家権力は権力に対して批判的な意見を封じ込めては行けないことになります。

また、もう一の理由があります。そしてこちらこそがアニメゲーム漫画にとって重要なのですが、表現の自由がある事で、少数派の意見が尊重されるようになるのです。

「自由論」という著作を書いたJSミルという学者は、少数派が排除されない社会を作る事の重要さを繰り返し述べています。世の中に多数を占める意見、支配的な勢力が重んじられることで、議論の質が劣化したり、実は真実を主張している人が追いやられてしまうかもしれない。画一的な意見ばかりになるのでは無く、非常識に見える価値観も認める寛容な社会こそが豊かであると。

ミルの言うような社会の実現の為に国家がすべきことが何かと言えば、少数者を排除しようとするような人をキチンと取り締まることになります。

アニメゲーム漫画こそが「表現の自由」によって守られている

少し理屈っぽい話が続きましたが、表現の自由についてざっくりと概要をまとめて見ました。おさらいすると

・表現の自由は、国家権力に優先する、基本的人権だ

・表現の自由を保障するために、国家に「ちゃんと取り締まれ!」あるいは「国家が表現の自由を邪魔するな!」と言うのが憲法である

・表現の自由があることで初めて、少数派が有ってもいいよね、という寛容さが肯定される

という事になります。私たちが自室にこもって、一人で好きな漫画を読んで(それがいかにキワモノの趣味であっても)、ニコニコ動画で好きな事を発言して(それがいかに偏った意見であっても)いてもオーケー!とされるのが、いかに表現の自由のおかげであるか、おわかりいただけたでしょうか?

参院選に向けて、表現の自由は一つの重要な論点になります。アニメゲーム漫画業界が今以上に発展し続けるためにこそ、是非各議員の主張を吟味して欲しいです。

参考記事

スペシャルインタビュー企画・山田太郎参議院議員に聞く!(前編):BLも違法に?!「表現の自由」はいかに危機に瀕しているか。

スペシャルインタビュー企画・山田太郎参議院議員に聞く!(後編):私たちができることと、アニメ業界の存続リスク

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