一昨年より、教育機関において、日本のサブカルチャーのコンテンツを使うケースが増えてきています。そしてニュースとしても時折、話題に上がるようになってきました。そのコンテンツとしては、アニメであったり、ライトノベルであったりと様々です。加えて、そのようなコンテンツを使用した教材は、より低い年齢へと広がりを見せているそうです。
4年制大学では、アニメやライトノベルを使った講義はこれまでにも幾つかありました。例えば、愛知教育大学の国文学の講義では、昨年は、全世界累計発行部数1670万冊(2014年12月22日時点)を達成した川原礫氏の大人気ライトノベル、「ソード・アート・オンライン」を教材として使用したり(愛知教育大学、今年も「ソードアート・オンライン」を教科書に)、今年は、西尾維新氏の「化物語(上)」とライトノベルが好きな人であれば一度は読んだことのあるタイトルが教材として使用されてました(愛知教育大学、今年は「化物語(上)」を教科書に…テクスト分析の方法を習得することが目的)。他にも、近畿大学では、深夜枠アニメを中心に週20本以上しておくことという課題が掲げられた講義が話題となりました(近畿大「深夜アニメ20本視聴」講義の実況中継ルポ~想像の斜め上を行くガチ中のガチだった!)。
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中学教育にまで広がるライトノベル・アニメ系サブカルチャーコンテンツ
これまでは、大学や専門学校の講義などでアニメやライトノベルなどのサブカルチャーを使うケースはよく聞くようになってきました。しかし今年に入って、この流れは、高校や中学の教育現場へと広がりを見せています。例えば、今年の4月に話題となったのが、高校英語の教材で使用されたエレン先生を初めとしたキャラクターです。これらのキャラクター原案は、現役のイラストレーターである電柱棒氏によって描かれ、教科書ではありえな位ほどのかわいさだったため、瞬く間にその話題が広がりました。
学習領域の広がり
これまでに、国文学や、教科書のイラストとして活用されてきたこれらのコンテンツですが、その領域は徐々に広がりを見せています。5月26日のインサイドの記事では、平成29年度版の「高校生の音楽1」の教科書で初音ミクが取りあげられるということに話題となっています。
平成29年度版の教科書「高校生の音楽1」に“初音ミク”登場…表紙イラストは中村佑介
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160526-00000020-isd-game
引用始め
平成29年度向けの新しい教科書「高校生の音楽1」の中でボーカロイド「初音ミク」が取り上げられおり、ネット上の一部で話題となっています。
教育芸術社の「高校生の音楽1」は、中学での学習をより深い学びに繋げられるよう、オーソドックスな楽曲を選出。それぞれの曲に明確な学習目標を掲示すると共に、鑑賞活動の充実も図っています。
引用終わり
教育現場において、教科に対して興味を持ってもらうことはとても重要です。学校の授業はつまらないと思われてしまえば、学習意欲の低下につながります。詰め込み型のように半ば強制的にさせるというのも一つの手かもしれませんが、それよりは授業自体を楽しんでもらい、自発的に授業を受けたくなるような空間に変えた方がいいのではと考えます。その方法の一つとして、アニメやライトノベル、ボーカロイド、萌えキャラのイラストなどの活用は有効ではないでしょうか。アニメにしろ、ライトノベルにしろ、ボーカロイドにしろ、萌えキャラのイラストにしろ、若者に好まれやすいジャンルです。そのようなこと楔に、日本古来の文学や歴史、音楽へとつなげるのが、学習意欲が進むのではないでしょうか。またライトノベルに関しては、これまでの文学にはない独創性や世界観を持った作品が多くあります。幼少期の豊かな創造性を生み出す上でも有効ではないでしょうか。