アニメやゲームのOPは芸術
今回はちょっと毛色を変えて、私が選ぶ私のためのアニメゲームの素晴らしいオープニングアニメランキング、ベスト5を発表したいと思います!!アニメやゲームの本編世界観を表すためにも必須なのが、オープニングのアニメーションです。テーマソングとともにオープニングの場面が脳内再生されたり、カラオケなどで曲とともに映像も配信されていたりと皆さんもよく目にしていると思います。テーマソングの歌詞とアニメやゲーム本編の伝えたい内容をリンクさせて映像に落とし込む特殊な技術が必要になるオープニング制作は、もはや芸術です。もともと私はオープニングや、アーティストのPVなども大好きで、アーティストだとYUKIさんのPV集などは買ってますし、音楽という1分〜フルでも5分ほどの限られた時間の中でそこに引き込んで時間の概念も忘れさせられるものすごいコンテンツだ!と常々主張しています。最近、岡崎体育さんの『MUSICVIDEO』というPVが話題になりました。
さまざまな今までのPVの不文率を網羅していて非常に面白いです。短い尺に当てはめようとするからこそ、演出が一定になりがちなのがPVやOPの定説ではあるのですが、それに見事に一太刀入れてくれました。私はこういう「PVってこんなもんだろ」という常識を打ち破るPV、OPが大好きです。そんな観点からも見ていただきたいOPランキング、まずは5位からお伝えします!
第5位 荒川アンダーザブリッジ『ヴィーナスとジーザス』やくしまるえつこ
私は地上波でこのオープニングを見たとき、思わず泣いていました。ポップでどこかふざけた力の抜き方で、でも可愛らしく温かいものが詰まっている。作品の世界観にばっちりフィットですしニノさんとリクの恋人なんだけど恋人未満で、恋愛とかはまったく意図しないニノさんの天然の可愛らしさが画面いっぱいに表現されてリクじゃないけどキュンキュンさせられっぱなしです!!僕の恋人一番可愛い!!!ちなみにこちらのオープニングディレクターの龍輪直征さんはアニメ本編を手がけるシャフトさんで演出をされている方で、『さよなら絶望先生』『それでも町は廻っている』で副監督、『ニセコイ』で監督を務めるなど、シャフト=新房監督の方程式を覆す次世代監督として頭角を現してきています。手掛けられている作品全部好きです。
第4位 鋼の錬金術師『リライト』ASIAN KUNG-FU GENERATION
(4:46から)横長のテレビ画面に対して、最初から縦の構図。エレベーターが降りていく上下の動きを意識させてからの、Aメロ〜は静止画を多用して横の構図。そして一気にサビで崖から飛び降りるエドのカットでまた縦の構図を意識させます。ホムンクルスたちの自在な動きも相まってテレビ画面の枠を飛び越えて古代遺跡の背景の奥行き感を見事に出しています。サビで高まるOPはやっぱり何度見てもワクワクしますね。サビの縦横無尽観を出すための最初のエレベーターだと思っているので、初見からこういう風に世界観に引っ張り込む仕掛けをしてくれてるのは非常に嬉しいです。喜んで騙されます。
第3位 Baccano!『Guns&Roses』
テーマソングには珍しいインストゥルメンタルです。原作がラノベで、かつストーリーが複数の主人公が折り重なって出来上がる難解なものなのであえて歌詞で多くを語らず、小道具やモチーフを使って、異なる世界観にいるそれぞれのキャラクターの場と場をつないでいるのが秀逸です。この作品では、誰もが見方によっては主人公であり、別々の時間軸、別々の生き方で話が進行していくのですが、最終的にはひとつのきっかけによってその全てが一本の線で結ばれることになります。そうしたラノベを見ていて動線を知っている人も、これからアニメを初めて見る人も楽しめる構成になっており、アニメ最終話まで一周してみてからOPを見直すとまた新しい発見もあり、シンプルな登場人物紹介パターンのOPと見せかけて実は深い!というファンにはたまらない愛のこもった作りになっています。
第2位 ジョジョの奇妙な冒険2部『BLOODY STREAM』Coda
1部のおどろおどろしい雰囲気とは対照的に、近代的に明るく陽気な雰囲気をまとわせて彗星の如く発表された第2部OP。シビれました。ジョジョファンにとってはわかりきっているジョセフとシーザーの登場をカラフルな影絵で表現することによって、アニメから入ったファンにもジョナサンの亡きいま、次の主人公がどうやら違う人物らしいことを匂わせ、いままでのトゥーン3Dテイストな画面から一変、サビになっていきなりの力強い線画。どうやら敵らしいけど顔がわからない!強そう!というオーラを発しているワムゥ。ファンからしたら「ここで神砂嵐」を持ってくるか!と。左上にクレジットされたこのOPを制作する「神風動画」の名前と神砂嵐がリンクして意味がわからないほど滾ります。絶対意識してますよね!?そして敵がパンしてようやくジョセフとシーザーのご尊顔を拝めます。ジョセフのニヤリ顔がまた最高なんですよね・・・!このOPはきっかり1分半なんですが、もうここに2部の全てが詰まっていると言っても過言ではない!です!これ見ながら2部を思い出してシィィィザァァアアーーーーー!!って叫びながら白米5杯は食える。今回はOPしばりにしちゃいましたが、ジョジョは毎回EDの入りも秀逸なのでぜひ見てみてください。
第1位 偽物語『白金ディスコ』阿良々木月火(井口裕香)
堂々の第1位は偽物語『白金ディスコ』です!!このOPで注目して欲しいのは、作品世界観を表現しつつキャラクター一人一人の特性にフォーカスして作られた、計算されたOPであるというところです。この白金ディスコを歌っている阿良々木月火は、物語シリーズ通しての主人公である阿良々木暦の妹で、髪の毛が伸びるのが異常に早く、頻繁に髪型が変わる和服好き女子という設定です。その設定を生かしつつ、音楽に合わせて伸び縮みする髪型とキャッチーなダンス。和服でディスコで掛け声は「は、よいしょ!」って、いろいろ斬新すぎます!しかも、その和風の雰囲気を崩さないためにスタッフの名前などのクレジットも全てが縦書きかつ手書きという徹底っぷり!さすがとしか言いようがありません。このPVを手がけたオープニングディレクターは高津幸央さんです。『魔術師オーフェン』や『怪傑蒸気探偵団』などの90年代のヒットアニメの作画監督として大変な実績を積まれたあとに『テニスの王子様』のEDなどを手掛け、活動の場をアニメ本編からアニメやゲームのOP、EDに移し1分〜2分の限られた時間の中で最大限に作品を生かすための映像作りに挑戦しています。
こうしてみるとOPやPVの世界は奥深く、まだまだ新しい表現手法を試していく余剰がありそうです。今回ご紹介した荒川アンダーザブリッジやジョジョの奇妙な冒険、偽物語のように本編スタッフとは違う専門のスタッフがOP制作にあたっていることもありますので、ぜひ注目して見てみてください。
第1位の高津さんが所属されているポイント・ピクチャーズでは日々新しい挑戦ができるOPやEDの制作案件募集中です。演出にマンネリを感じたり、最初に挙げた岡崎体育さんのPVに図星を指されたという会社さんは、依頼してみてはいかがでしょうか?
◆株式会社ポイント・ピクチャーズ
・HP:https://www.point-p.jp/top.html
ご興味が有ればご紹介しますので、ぜひお気軽に下記フォームからご連絡ください。