国際政治 ニュース オバマが広島に訪問することに 国際社会にはどんな影響があるか?

記事を読んでいただき有り難うございます。今回の記事は、アニメゲーム漫画業界に直接は関係の無い話題ですが(笑)、とても重要なニュースだと思ったので、求職者の方にもお知らせしたいと思い取り上げました。オバマ大統領が広島に訪問することを決定したというニュースです。5月27日に訪問する予定ですが、今回のアクションはどのような影響をもたらすのでしょうか。

nks米国大統領、初の広島訪問

今回のオバマ大統領の表敬訪問は、アメリカ大統領としては歴史的に初めての事です。5月の主要国首脳会議の直後に広島を訪問し、演説する方針です。オバマ大統領は「核兵器なき世界」を提唱しており、今回の訪問には、核兵器の廃絶とアジアの平和を訴えるという目的があります。

オバマ大統領の核廃絶構想は2009年の、チェコの首都プラハにおける演説において示された方針です。今回の話を深く読み解くためにも、プラハの演説について内容を振り返って見ましょう。プラハ演説は、動画をインターネットで観ることが出来ます。

参考URL
https://www.youtube.com/watch?v=QKSn1SXjj2s

プラハ演説でオバマは、核廃絶に向けたアメリカの国家としての取り組みを高らかに表明しています。皆さんも是非、上のURLを開いて、オバマの言葉に耳を傾けて見て下さい。核廃絶に向けたオバマ大統領の想いの丈が実感出来るはずです。プラハでの演説では、広島と長崎に対して投下された原爆を「不気味な兵器」と呼称するなど、投下についてのアメリカの道義的責任を認めています。こうした点が、明らかにオバマ政権の以前とは異なる点です。

※画像とリンクを日経新聞より引用致しました。


nuclear1a歴史問題的にはセンシティブな面も

今回の広島訪問も、こうしたスタンスの1つに現れであり、軍縮に向けた歓迎すべきことであると私は思います。しかしアメリカ大統領が広島問題について明らかに謝罪の意を示すことは、多方面に新しい問題と緊張を作り出すことも事実です。

1つには、アメリカ国内の世論への影響があります。アメリカの国内には、未だに「広島・長崎への原爆投下にはアメリカの道義的責任は無く、戦争状態において正しい行為であった」と言う意見を持つ層が根強く存在します。左図は、アメリカ国内における世論調査ですが、アメリカの高年齢層は「原爆投下は正しかった」と考える人の方が多く、若年層はその逆になっています。今回のオバマのアクションは、原爆投下を間違いだと思っていないアメリカの保守層にとっては反感の元になり、反日感情を強める可能性があります。

また、広島への原爆投下が間違いであると認めることは、日本軍による戦争被害国である中国や韓国に影響を及ぼします。日本は戦犯国であるという事実認識の上に、第二次世界大戦後の社会を形成してきた両国にとって、日本が戦争被害国であるという情報は、社会の前提を覆す情報にもなり得ます。また、北朝鮮は現在進行形で核開発を続けているとされており、北朝鮮に対する刺激も懸念されます。


shutterstock_145514185長年の均衡と、その変化

今回の件は、アメリカの国内にも、東アジア全体にも、少なからぬ波紋を投げかけます。各国とも、戦後数十年維持してきた社会のバランスのとり方があります。そんなバランスは、今回のようなメッセージ性のある行為や言明によって矛盾を来たし、均衡を崩し変化して行きます。季節が移ろうように、毎日の微妙な変化が重なり、気づくとはっとしてしまうくらいに局面は変わって行くものなのでしょう。訪問予定の5月27日は丁度一ヶ月先の話にはなりますが、その頃にどんな変化が訪れているか。ラクジョブ新聞では引き続きウォッチを続けていきます。