アニメ・ゲーム・遊技機業界のみなさんこんにちは、ビ・ハイアの榊原です。今回は、中小の制作会社・開発会社の経営者に向けたコラムです。ビ・ハイアは、創設丸10年を迎え、アニメ・ゲーム・マンガ・遊技機関連の企業のみで、全国4000社とのつながりをもち、年間、数百社のお打ち合わせと年間800件ものビジネスマッチングを行っている企業です。
様々な会社にお邪魔させてもらうと、うまくいっている会社とあまりうまくいっていない会社、会社規模がどんどん大きくなる会社、縮小する会社など様々あります。そんな中でうまくいっている会社はどんな風にしているのか、うまくいってない会社はどんな風なのかをお話しできればと思います。
離職率の高いこれらの業界、制作会社・開発会社の社長さんの中には、「こんなアニメを作りたい」「こんなゲームを作りたい」「こんなことがしたい」ということで前職の会社から独立したりした方が多いのではないでしょうか。そのため、もともとクリエイター上がりの代表の方が多く、何もわからないうちに経営であったり、営業を行わなければならなくなったという代表の方もいるのではないでしょうか。そのような方の場合、最初は知り合いのつてを使って仕事をもらったりということをやっているのですが、もし本当にアニメを作りたいのであれば、クオリティにもよりますが、30分のアニメを作ろうとすると1000万〜1500万、1クール放送しようとなると約2億円は必要となりますし、劇場アニメーションで最も有名な「千と千尋の神隠し」は二十数億円(アニメビジネスがわかる P28)です。ゲーム業界の人気タイトルで言えば、先日、コナミデジタルエンタテインメントの退職で、世間を賑わした小島秀夫プロデューサーが掛けた人気シリーズ「メタルギアソリッド5 ザファントムペイン」は、約100億円以上(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO89986400R30C15A7000000/?dg=1)にも達します。なので、それをやるだけの体力をつける上でも、新規への営業は不可欠です。
それではどんな会社さんがうまくいっているのでしょうか?それは、自社の強みをきちんと把握し、それをどんどん特化させるということです。それも他の企業が出来ないレベルまで高めることができればベストです。特に中小企業の場合、このことを知っていないとかなり危険です。例えば、私達はいろいろな会社と打ち合わせをする中で「御社の強みはなんですか?」という質問をしていますが、営業がうまくいっていない会社からはよく2パターンの返答が返ってきます。
1つ目が「〇〇のことならなんでもできるところが強みです」
2つ目が、「〇〇が得意です」この〇〇が他の会社でも対応可能なレベルの時どちらの答えも他社と比べた時、強みになっていないのです。なのでこのように答えている会社はクライアントの担当者から、他と比べて大したことないなと思われているかもしれません。そのためにも、強みを正確に把握することは重要なのです。
もともとこの考えは、ランチェスター戦略という理論の「弱者の戦略」によるものです。そのポイントが「差別化」と「一点集中」、顧客や商品、地域を徹底的に絞り、会社としてNo.1を見つけることです。中には、そんな急に言われてもNo.1のところはないよという会社さんもあるかもしれません。そこは、条件をどんどん絞っていけば必ずどこかに一つはあるはずです。どんな小さなNo.1でも構いません。アニメ会社であれば、日常系なのかファンタジーなのかなどのジャンルやキャラクターの頭身の高さ、着色パターンなどのテイストを絞っていきます。アニメ業界だと、京都アニメーションのキャラクターデザインや、Gohandsさんの色の使い方は独特ですね。ゲームの開発会社でいえば、ADVなのかファンタジーなのかRPGなのかというジャンル、キャラクターの頭身などのテイスト、2DCGか3DCGか、プラットフォームは何にするかなどなどです。ゲーム業界だとアイディアファクトリーさんは、ソーシャルゲーム業界に押されている中、萌え系のキャラのゲームと乙女ゲームの2本柱のコンシューマーゲームしか出さないという企業です。その代わりマニアが受けそうな作風をいくつも出すことで、一定量のコアなユーザーを獲得しています。そのため、コンシューマーゲームの萌え系、乙女系ゲームのNo.1といえばこちらの会社でしょう。
弱者の会社にとって、No.1の商品やスキルというものは非常に大事なものです。それがどんなに些細なことでも構いません。今までの経営者の中で、成功し、現在大企業にまで成長した経営者もこのようなことを言っています。
京セラ名誉会長、稲盛和夫氏「京の西一、京都一、日本一、世界一を目指せ」、
日本電産社長、永守重信氏「1位はビリと一緒」、
リクルート元会長、江副浩正氏「1位以外は死を意味する」
会社にとっては、No.1がないということは、ビリであり、死(=倒産)のレベルで深刻なのです。加えて、パレートの法則というものもあります。いい商品(知名度・クオリティなど)のうち上位20%で、全体の売り上げの80%をしめるという法則があるくらい大きな差が生まれてくるのです。幸いなことに、アニメゲーム業界、まだまだランチェスター戦略を知って経営している企業は少ないです。パブリッシャーの外注の担当者(プロデューサー、ディレクターなど)も常にいい会社を探しています。今一度、経営戦略を見直してみてはいかがでしょうか?ただここで、以下の方法だけはやめてください。それは安さNo.1。
これに関しては、クライアントから表面上は喜ばれるかもしれませんが、受注した会社さんへの負担や経営状況の悪化、最終的には納期のもののクオリティ低下につながってしまい、クライアントにとっても受注した会社にとってもデメリットが大きいのです。なぜそうなるかはこちらをご覧ください。
ラクジョブログ「ゲーム開発受託営業 その人月値下げが炎上と倒産の第一歩」https://raku-job.jp/news/companyrep/762/
ランチャスター戦略では、営業に関しての効果に関して以下のような数式で表されています。
戦闘力=戦力(営業担当)2×武器性能(会社の実績)
になります。ここでのポイントは作業人数が2乗になっているということです。経営者一人で営業に出ているという会社様も多いかもしれませんが、営業担当が複数名かいるという会社こそ、ランチェスター戦略を盛り込み、ターゲット(客層、地域、業務内容)を絞ってどんどんやるべきです。
あとは、効率よく数多くの会社を訪問し、自社のアピールをしていけばいいのです。対象を絞るということで、地域を絞ることによっても営業効率を上げる方法の一つです。幸いなことに、アニメ会社であれば、練馬区や杉並区、ゲーム会社なら新宿か渋谷か池袋、3DCGの会社なら渋谷区、港区とある程度固まっています。そのため、地域を絞るというのも一つの手でしょう。
ランチェスター戦略に基づき多くの会社様に訪問し、クライアントのニーズに少しでも引っかかることがあれば、後々にも受注できるでしょう!!何せNo.1なのですから。
それ以前に、新規の営業先がわからないという人は、ビ・ハイアまでご相談ください。弊社は全国でアニメ・ゲーム・マンガ業界に4000社のネットワークをもっております。その後は、業界内でのその分野でNo.1としての認識が広がり、クライアントからのお問い合わせで飽和状態にまでなった時は、単価アップのタイミングであり、仕事をする上でも同等以上の立場でクライアントと接することができるのです。
もっとランチェスター経営のことを知りたい方は参考までに・・・。
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