2016.07.19 ゲーム業界 ニュース ソフトバンクがARM社を3兆円で買収、IOT領域への投資を本格化 ゲーム産業への影響力はどうなるのか?
今回の記事では、「ソフトバンク英国企業でるARM社を買収した」というニュースについて取り上げます。既に新聞などでこのニュースをご存じの方もいらっしゃるかもしれません。ラクジョブ新聞では、このニュースがゲーム業界にどう影響を与えるのか?という視点も含めて解説します。
ニュースの概要についておさらいすると、ソフトバンクの孫正義社長は、ロンドンにて記者会見を開き、英国の半導体大手であるARM社を買収することを発表しました。
https://www.youtube.com/watch?v=DzTaAEmxLSo
ソフトバンク社は、最近さかんに投資と売却を繰り返しています。6月には子会社であるガンホーオンラインエンタテインメント社を730億円で売却しました。また、「「Clash of Clans」」で知られる子会社Supercellを7700億円で売却したのもつい最近の話です。また、中国の大手オンラインECサービス運営会社であるアリババも一兆円超で売却するなど、大口の売却が相次ぎました。売却によって資金を作った事が今回の買収には関係しているのかもしれませんが、それにしても今回の買収は大きな案件です。ソフトバンクの年間売上はおおそ9兆円ですから、かなりチャレンジングな決断です。
ARMとはどんな企業か?
孫正義社長がそこまでして入れ込んでいるARMとはどんな企業なのでしょうか?ARMは、近年のスマホの急速な流通に伴って勢力を伸ばしている、スマホ向けのCPU(半導体の中心部分)のライセンス企業です。「半導体」と聞いて真っ先に浮かぶのはアメリカのインテルでしょう。ARMはスマホ向けけの半導体市場についてはインテルを遙かにしのぐシェア(約9割)を誇っています。ARMのCPUを使う事で消費電力と開発コスト大幅に下げることができるため、メーカー企業ではARM 製品を使うことがスタンダードになっています。
参考記事https://www.nikkei.com/article/DGXZZO61980940R01C13A1000000/
IOTへの投資を本格化するソフトバンク
記者会見において孫正義さんは、ARM社買収の理由の一つとして「IOT市場に進出するため」という主旨の事を語っています。スマホだけでなく、車のカーナビ、カメラ、オフィスのドア、腕時計などありとあらゆる物がインターネット回線に接続されていくことで、情報的付加価値をモノに付与することのできるIOTビジネスは、現在最も注目されている市場です。
加えてソフトバンクはハードウェアなどのプラットフォームに投資を集中させており、今回の買収はIOTビジネスの基盤となるCPUへの投資ということで、孫社長の本気が伝わってきます。
ガンホーの売却は話題を呼びましたが、ARMの買収はガンホー以上にゲーム業界に影響を与えるはずです。なにしろ、IOT技術の応用によってこれから登場してくる新しい「ゲームデバイス」ーそれは腕時計かもしれませんし、単なるリストバンドかもしれませんーは全て、ARM製のCPUを搭載する可能性が高いからです。
「ポケモンGO」が話題を集めていますが、このような新鮮なアイデアが山ほど生まれてくる可能性をIOTは秘めています。それを可能にする技術にたいしてソフトバンクが投資するしているというのは、ゲーム業界にとって明るいニュースであるといえるのではないでしょうか?
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