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2016.07.12 アニメゲーム漫画 2.5次元コンテンツを展開するメリットは何なのか?

2016-07-12 11.45.302.5次元プロジェクト「おにいちゃんねる」

画像は公式サイトより

株式会社ブシロードのプレスリリースによると、女性向け雑誌『B’s-LOG』と共同開発した新プロジェクトである「おにいちゃんねる」のキャストが発表されたというニュースが、ゲームニュースを取り扱うインターネットメディアサイトに続々掲載されています。

参考:ブシロード×『B’s-LOG(ビーズログ)』の『おにいちゃんねる』ニコ生開始! 蓮&翔真のキャストも発表

「おにいちゃんねる」は2.5次元を前提として進行している女性向けコンテンツです。公式サイトのプロローグ、そして設定を読んでみると、唐突に見ず知らずのイケメンお兄ちゃん達から、お兄ちゃんといつでもどこでも連絡が取れる便利なアプリを渡され、お兄ちゃん達との交流が始まる…というもの。全貌が明らかになっていないので、今後どのような展開がされるか注目です。アニメゲーム漫画原作の無いオリジナルの2.5次元コンテンツは珍しいのではないかと思います。なぜ2.5次元は注目を集めるのでしょか。

2016-07-12 11.47.302次元と3次元の融合

画像は公式パンフレットより

そもそも、何の前振りもなく2.5次元という言葉を使っておりましたので、ご存知の方が多いとは思いますが、改めて2.5次元とは何ぞやということに触れておくことにしましょう。2.5次元とはアニメゲーム漫画など、2次元世界で描かれたものを舞台コンテンツにしたエンターテイメントの総称です。発症は日本です。ご存知の方もいらっしゃるかとは思いますが、「一般社団法人 日本2.5次元ミュージカル協会」という団体があります。この団体の公式パンフレットによれば、アニメ漫画を原作としたミュージカルの歴史は古く、1974年の宝塚歌劇による「ベルサイユのばら」、1985年の『小公女セーラ』、1990年『聖闘士星矢』などが黎明期の代表的な作品です。2.5次元という言葉がいつ頃誕生したのかということは定かではありませんが、こうしたアニメ漫画原作の舞台化が活発になってきたのは2000年ごろからです。こうした舞台作品の知名度を上げたのは、『ミュージカル・テニスの王子様』でしょう。それまでも『美少女戦士セーラームーン』や『犬夜叉』など、女性ファンが多い作品が舞台化される傾向はありましたが、この『ミュージカル・テニスの王子様』の登場によって、女性向けコンテンツの様相を呈してくることになります。近年ではこれとは毛色が違った『スーパー歌舞伎 ワンピース』なども話題になりました。

2016-07-12 11.49.01コンテンツを長持ちさせること

このような流れで注目を集め、2014年に社団法人まで登場するほどにまでなった2.5次元コンテンツ。冒頭で取り上げたように、なんとアニメゲーム漫画原作でもない完全オリジナルのプロジェクトが進行していくほどの注目ぶりからして、ビジネス的な旨味がそこにはあるはずです。主要なものとしては、コンテンツを長持ちさせることができるという点でしょう。

「2015年ライブエンターテイメント白書」によれば、ライブエンターテイメントの市場規模は、音楽市場とステージ市場をあわせて、2014年時点で4,260億円の市場規模があり、全体として動員数は減少したものの、市場規模は増えています。2.5次元コンテンツは、このうちステージ市場のミュージカルに分類されるでしょう。ステージ市場は演劇とミュージカルが6割をしめており、2.5次元を展開する土壌は成長傾向にあると言えます。日本2.5次元協会によれば、総動員数は2013年時点で約160万人となっており、前年の2012年約120万人と比べても大きく動員数を伸ばしています。

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一般社団法人日本動画協会による「アニメ産業レポート2015」を見てみると、2013年より統計がスタートしたライブエンタテイメント市場が308億円、それに対してアニメ音楽市場は237億円。グッズとしてのアニメ音楽を展開するよりも、ライブやミュージカルなどの売り上げ規模の方がすでに大きいのです。さらに昨今ではビデオパッケージの売り上げも横ばい状態ですし、配信市場も伸びてきてはいますが408億円。2.5次元ミュージカルが注目されるのは、アニメゲーム漫画コンテンツを長持ちさせるための手段に、パッケージや音楽、配信サービスが魅力的ではなくなってきているという背景があります。VRの登場など、デジタルコンテンツを体感するということに魅力を感じるユーザーが現れ始めているのです。ラブライブやアイドルマスターなどのいわゆる「アイドルもの」の人気は、ライブイベント、ライブビューイングなどの体感型イベントと非常に相性が良いために、ここまで息が長く続く人気コンテンツ、人気IPになっているものと思われます。

2016-07-12 11.52.122.5次元の旨味とは

画像は公式パンフレットより

また、女性ファンをターゲットとしている作品が多く、原作ファンだけでなくその役者のファンを引き込めるのも魅力の一つでしょう。アニメゲーム漫画に興味関心のある人たちだけでなく、アイドルや演劇のファン層を取り込めることは、一つメリットとして想定しやすいでしょう。また、アニメの制作費が1話1200〜1500万円、クオリティ次第では3000万〜4000万円ほどかかってしまいます。総制作費はバラツキがありますが億を超えることはザラです。刊行されている統計データには舞台の制作費平均等のデータが見受けられませんでしたが、平均して億を超えるほどのものが頻繁に公開されているとは思えません。2.5次元ミュージカルを上演するためのアイア 2.5 シアタートーキョーのキャパシティは830席ですから、6000円のチケットを満席で830席、10日間の公演で回収できるのは4980万円ですから、制作費はそれ以下になります。費用的に見てもリーズナブルです。メディアミックスの手段としてもロープライスで始められるため、今後も2.5次元コンテンツは活性化していくものと思われます。

記事をお読みいただきありがとうございました!

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