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2016.06.30 ゲーム G2A ゲームキーのマーケットプレイスに強烈な批判の声! 打開策はあるのか

G2A「鍵屋」と呼ばれるビジネスモデル

今回はゲームのプロダクトキーをマーケットプレイス式で売買するビジネスモデルについての話題を取り上げたいと思います。プロダクトコードの売買と聞くと、なんだか怪しげですね。その怪しげな雰囲気通り、今こうしたゲームのプロダクトキーを売買するビジネスモデルに関して、ゲームパブリッシャーや開発会社などから抗議の声が挙げられており、その最大手サイトである「G2A.COM」には多くのネガティブな指摘がなされています。

まず、G2A.COMとは何ぞや?という方も多いと思いますので、簡単に説明させて頂きます。一言で言うのであれば冒頭の通り、ゲームのプロダクトコードキーを、売り手と買い手が自由に参加できるマーケットプレイス方式によって、ユーザー間でプロダクトキーの売買を可能にしているサイトです。出品料と売値の数%をG2Aに支払えば、自分が持っている余ったゲームのプロダクトコードを売ることができます。買い手は安くないと買ってくれないので、価格は売り手ユーザーが定価以下に設定することが多く、オンラインゲームやPCゲームを安く購入することができる手段として利用されています。

参考:「鍵屋」とはなんなのか、「キーの売買」に違法性はないのか。業界大手の業者「G2A.COM」にインタビューで様々な問題と事件を聞く

2016-06-30 12.05.10G2Aの問題点

今までデジタルゲームなどは基本的に売ることができないと思われていましたが、まだ認証されていないプロダクトコードであれば、どのPCからでも認証をすることができるわけですから、それを売ればデジタルコンテンツとはいえ、ゲームの中古市場のように、余ってしまったゲームや初回特典などで手に入れられるダウンロードコンテンツなどが不要の場合、それを売ることができるのです。こうした背景からG2Aに対して批判的な目を持つのは主にゲームの作り手側、パブリッシャーや開発会社、そしてそのプロダクトコードを発行しているプラットフォーマーの人たちです。6月21日のGame Sparkでは、インディー開発者の批判的なコメントがアップされています。

(引用開始)

PC/モバイル向けボクサー育成シミュレーション『Punch Club』で知られるデベロッパーtinyBuildは公式Webサイトの中で、ゲームダウンロード販売サイトG2A.COMについて言及。その配信形態を語りながら、批判的な姿勢を露わにしました。

tinyBuildはG2Aからの業務提携案を拒否したと明かし、同サイトのシステムについて「単刀直入に言ってしまえばゲームキー版eBayのようなものです」とコメント。「ゲームキーをバンドル販売サービスで入手してG2Aで販売、収益を得る」というG2Aのビジネスフローを説明しながら、「根本的な欠陥を抱えていて、ブラックマーケット的な経済が動いている」と批判しました。

また、tinyBuildは、G2Aのマーケットプレイスでキーを販売する出品者から彼らの主だったビジネスモデルについて解説を受けたとも報告。その内容は「アンダーグラウンドなWebサイトで、盗まれたクレジットカード情報を入手する」「バンドル販売/サードパーティーの販売サイトでゲームキ―を大量に購入し、小売店より半額の価格を設定してG2Aで販売する」といったもの。tinyBuildは一部G2Aスタッフが行っていると見られるTwitter、Twitch、Facebookでの「bot活動」にも言及し、バンドル配信やキー販売に対する悪影響を述べました。

(引用終わり)
参考:インディー開発者がG2A.comのSteamキー販売を非難―「収益に大きな被害」

これが本当のことであるならば、業界発展を掲げるラクジョブとしても軽視できない問題です。バンドルとは、ある製品に別の製品が付属して販売、もしくは配信されているものです。先ほど申し上げた初回限定版や、ゲームそのものに別のゲームが同梱され売られているものですが、それがお目当てでなければ、そのプロダクトコードをG2Aなど「鍵屋」に売ることで、ある程度は同梱版で少し高くなったお金などを回収することができます。しかし、売り手に問題がある以上、これにしっかりと対処していかなければ、G2Aというサービスはゲーム業界発展に大きく障害になります。

Woman making loud announcement海賊版の方が良いとの声も?

日本と海外のゲーム業界に関するニュースを扱うDAMONGEのコラムでは、ゲーム開発者の側から「G2Aを利用するなら海賊版で遊んでくれた方がまだマシ」という強烈な批判の声が紹介されています。
(引用開始)

「G2Aを利用するくらいなら海賊版で遊んでくれ」、ゲーム開発者のLars Doucetは語る。

ゲーム開発者コミュニティGamasturaに投稿されたコラムにて、『Defender’s Quest』の開発者として知られるDoucetはゲームキー販売業者”G2A”がゲーム業界内外にもたらす害悪について説明している。

(引用終わり)
参考:「G2Aを利用するくらいなら海賊版で遊んでくれ」、ゲーム開発者が同社の害悪について語る

主たる理由は、やはり売り手のモラル面に重大な問題点があることのようです。一見G2Aはプロダクトコードのフリーマーケットであり、ユーザー同士のやりとりが健全であれば良質なサービスのように見えます。中古市場のようにお店に行かなくても良いし、やりとりするのはデジタルデータなので、時間も場所も取りません。しかしデジタルデータだからこその欠点として、このモラル面があるのです。盗まれたクレジットカードで大量にプロダクトキーが購入され、それをG2Aで売りさばくという手段が取られてしまうと、その売り上げはクレジットカードを盗んだサイバー犯罪者の手に渡り、しかもG2Aは出品に対してマージンを取っているので、G2Aの利益にもなってしまうという構造的欠陥があるのです。以上の点から、海賊版よりもたちの悪い状態に陥っているという指摘がされたのです。

Hand counting money, Japanese currency note , Japanese yenお金の流れをしっかりと周知させること

海賊版の問題にもつながりますが、このようなサービスを利用している人たちに対して、業界がどのようなお金の動きで成り立っているのかということを周知させることが重要です。法的な規制をするとなると、電子商取引そのものの見直しをする必要が出てくる可能性があります。いたずらに規制してしまうと企業間での電子商取引が円滑に進まなくなってしまうため、画一的な規制は危険なのです。では、ゲーム開発会社やゲーム運営会社にお金が行き届かないことが、ゲーム業界の衰退につながるということを懇切丁寧にユーザーに伝えれば改善の余地が見えるのか?といえば疑問です。それでも「正規版の購入がなければどれほどの被害が出るのか」ということをしっかりと認知させることを、業界の側からしっかりユーザーに対して伝えていくべきなのです。特に今回のG2Aのようなユーザーにとって得ばかりのようなサービスが現れた時、業界のお金の動き方やビジネスの知識があるのかないのかで、おかしなところを指摘できる人が増えることになるでしょうし、構造的欠陥をついた犯罪に関しても、ユーザー側から指摘しあって減らしていけるようになれば、ゲーム業界の発展に大きくプラスになるのではないかと考えます。

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