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2016.06.13 アニメ 「モンスターハンターストーリーズRIDE ON」アニメ化からみる顧客拡大戦略

カプコンの人気ゲームシリーズ「モンスターハンター」がついにアニメ化が決定しました(フジ10年ぶりのアニメ新枠 日曜午前8時30分“モンハン”でスタート)。そして、放送の時間枠を考えるに、どうやらファミリー層向けのアニメを目指している方向性になります。今回はアニメにおけるファミリー層向けの市場に触れつつ、アニメ「モンスターハンター」に関する戦略について考えてみます。

スクリーンショット 2016-06-13 11.35.50ファミリー向けアニメ

ファミリー向けアニメとは、主に朝や夕方を中心に放送しているアニメで、子供を中心に家族全員で見ることを前提に作られています。ファミリー向けアニメは、長寿番組の「サザエさん」をはじめとして、「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」「ワンピース」「名探偵コナン」「ポケットモンスター」「プリキュアシリーズ」などのヒット作があり、これらの多くは、夏休みを中心に定期的な劇場版を上映、10年単位でヒットに至る作品にもなります。

(表は一般社団法人日本映画製作者連盟ホームページより)

スクリーンショット 2016-06-13 11.47.09モンスターハンター

モンスターハンターシリーズは、カプコンから2004年に発売された人気シリーズで、シリーズ累計販売本数3600万本にも及ぶタイトルで、コンシューマーゲームのみならず、スマホやアーケードゲーム、パチンコやパチスロにも展開されています。そんなモンスターハンターですが、なぜ12年もたってアニメ化を考えたのでしょうか。その理由として考えられるのが、新作ゲームの狙いにあるのではあるものだと考えます。これまでのモンスターハンターシリーズはどちらかといえばリアルなグラフィックが中心となっており、登場する人物もリアルな人間の体格や表情に近かったり、ドラゴンもハリウッド映画にでてくる恐竜のような若干の恐怖心を持つようなテイストで作られています。そのため、これまでのメインの客層は、高校生や大学生などが中心でした。

(画像はカプコンホームページ商品情報より)

ent1605260007-p1しかし、今回の「モンスターハンター ストーリーズ」は、「妖怪ウォッチ」のキャラクターのようなデフォルメテイストや可愛さを含んだモンスターとなっています。そのため対象年齢を小・中学生に落とし、市場の拡大を狙ったためのテイストに思われます。そのため、新規市場開拓とも言っていい今回の試みは、話題性とターゲットへの露出をする上でも、メディアミックス展開を活用したアニメ化が必要だったと思われます。

(画像は産経ニュースより(「モンスターハンター」のワンシーン(C)CAPCOM/MHST製作委員会))

Three arrows darts in center.今回の戦略の難しさ

メディアミックスを使って、大規模に展開を狙っている「モンスターハンター ストーリーズ」、懸念材料は幾つかあります。それが、アニメとゲームそれぞれにユーザー層がかぶっているところです。ゲームであれば、小・中学生人気があるのが「妖怪ウォッチ」になりますが、少なくともこのユーザーの一部はモンスターハンターファンにする必要が出てきます。そのためにも、「妖怪ウォッチ」を勝る何かが必要となってきます。

アニメに関してもそうです。キー局の中で、テレビ東京の次に多くのアニメ番組を放送しているフジテレビでの放送や、ドラゴンボール超やワンピースという番組構成で、非常に強い印象を持ちますが、裏番組では、同じくファミリー向け人気シリーズアニメの「プリキュア」が控えています(フジテレビ、テレ朝 『プリキュア』を“ガン無視”!「“モンハン初RPG”に全力で乗っかって大丈夫?」と心配の声も)。そのため、男の子と女の子の兄弟がいる家庭にとってはチャンネルの取り合いとなってしまうでしょう。そうなってしまうと例えタイムシフトで番組が見れたとしても、CMでのゲームの宣伝効果が弱くなってしまいますし、データ放送を使っての番組を見ながら楽しめる工夫もあまり効果が出ない可能性もあります。今回の「モンスターハンター ストーリーズ」のメディアミックスプロジェクトの成功の鍵としては、「妖怪ウォッチ」や「プリキュア」と異なった部分でのアピールが必要となってくるでしょう。それはどちらか一方で、成功すれば、もう一方にも良い影響がありますが、見込みが甘ければ共倒れというケースも考えられます。

shutterstock_317373431しかしながら、モンスターハンターというコンテンツは、もはや10年以上も続いているタイトルであり、無印のタイトルをプレイした高校生や大学生は、家庭を持ち、子供も授かっている方も多いと思われます。そのため一旦、子供たちに受け入れられれば、同時にその親も関心をも持つ可能性は非常に高くなり、「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」「ワンピース」「名探偵コナン」「ポケットモンスター」「プリキュアシリーズ」などのファミリー受けするコンテンツへと伸びていくことでしょう。

また今回のカプコンの低年齢層への顧客拡大戦略は、10年もの長い年月をかけているタイトルだからこそといえます。逆に言えば、10年目や20年目などの節目の年ということで宣伝するとともに、子供向けの作品として新作をリリースするのは、大きな収益につながるやすいファミリー層向けのコンテンツとなりえるためには非常に有効な方法ではないでしょうか。

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