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2016.05.15 ゲーム ニュース 「ゲーム実況者」を肩書に? 芸能人化させることで何が起こるのか

20160426-9ワタナベアマダクション設立

「ゲーム実況」というものを聞いたことがあるでしょうか。ゲームセンターCXの有野課長が登場し、スーパープレイでなくても「普通の人がゲームをやっている姿の面白さ」が認知されると、ニコニコ動画を中心に「ゲームプレイ映像」+「ゲームをプレイしている人の音声」という形式の動画コンテンツが流行しました。一時期下火になりましたが、現在は黎明期に起こったブームよりもさらに加熱し、ニコニコ動画にとどまらず、YouTubeなどで動画を投稿し、それで収益を上げている人が出てくるなど、ゲームユーザーの動きとして無視できない存在になってきています。許可無くゲーム映像を使用するのは違法では?グレーな時期もありましたが、ニコニコ動画内でのユーザー収益化システム、「クリエイター奨励プログラムで投稿できる著作物一覧」にもゲーム会社各社がタイトルを掲載するなど、メーカー公認で実況プレイがやりやすい状況にあり、今後しばらくはニコニコ動画を代表するコンテンツとして人気は維持されそうです。そんな中、芸能事務所のワタナベプロと、ニコニコを運営するドワンゴが、ニコニコ動画のユーザーのマネジメントや活動の場を広くするサポートを行う「ワタナベアマダクション」を設立しました。

日経トレンディネット:「ゲーム実況者を肩書きに! ドワンゴとナベプロの挑戦」
https://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/pickup/15/1003590/040800242/

(引用開始)
ゲーム実況者の中にはタレントもいるが、大多数は一般ユーザーだ。しかし人気のあるゲーム実況者は、芸能プロダクションから見るとプロに見えるという。

「ゲーム実況者は、ユーザー目線を大事にして動画を作っている人が多い。そうしたファンを大事にする姿勢は、我々にはアマチュアではなく、もはやプロフェッショナルに見える」(ワタナベアマダクションの土居大樹社長)

そうしたゲーム実況者に、ニコニコ動画のほかにも活動の場を提供していこうというのが新会社の目的だ。例えばファッション業界には“読者モデル”という人たちがいる。読者という位置づけだが、プロフェッショナルなモデルという存在だ。ゲーム実況者もそうした存在に近いのかもしれない。会社名を“プロ”ダクションをもじった“アマ”ダクションとしたところにも、ゲーム実況者をそうした読者モデル的な位置づけで捉えていることが感じられる。
(引用終了)

ゲーム実況者を芸能人化することで、確かに活動の場を広げられるメリットもあるのでしょうが、同時にデメリットも多く出現してくるのだろうと思います。ということで、筆者の独断と偏見で、メリット・デメリットについて考えたことを書かせていただきます。

Business team shwoing thumbs upゲーム実況者を芸能人化するメリット

参考記事にもかいてありますが、ゲーム実況者の活躍の場を広げるということは、マスメディアやインターネットテレビ局、もしくはニコニコ動画にかぎらず、様々な動画配信サービスに対して積極的なコンテンツ提供などが考えられます。その際、ゲーム実況者がメディアに露出することで、よりゲームに対する関心は増えるでしょう。あくまでもゲーム実況者がゲームをプレイしている様子が放送されたらばの話ですが、放送されにくい状況に陥るということはおそらく無いのではないかと考えられます。また、高橋名人や有野課長などの例をみると、ゲームを宣伝する上でもアイドル的存在が増えれば、それだけゲームのPRがしやすくなります。また、実況者本人に対してもポジティブな影響があるでしょう。ゲーム実況以外にも活動の幅を広げることで、実況者自身の潜在的な才能を見出す機会は増えますから、挑戦的な性格の方がやってきてくれれば、芸能界の求める人材がそこからスカウトできる可能性もあるので、芸能プロダクション的にも利点があるでしょう。また、動画編集技術などが注目されれば、オーサリング/コンポジッターや映像制作アーティストとしての仕事ができるようになるかもしれません。

Wait deadlinesゲーム実況者を芸能人化するデメリット

「ユーザーがニコニコ動画で活動したいものには影響を出さないように配慮する」という旨が参考記事には書かれてありますが、プロダクションと契約を結ぶということによって、プロダクションの意向にある程度従いつつ活動をすることになるでしょうから、好きなように動画を取れなくなる可能性が無いとは言えません。同時に、どのような契約が結ばれるのかということが明らかになっていない状況のため、必ずそうなるとも限りませんので、推論の域を出ないのが現状です。
また、記事内ではゲーム実況者のことを「読者モデルと同じような位置づけ」と認識しているのでは、と書かれていますが、そうであるならば読者モデルを取り巻く問題や、芸能界におけるとトラブルと同じようないざこざが発生する可能性があるでしょう。資格や試験がないため、誰でもなれるチャンスがあるという認識がひろまると、チャレンジ精神に漬け込んだ悪質な勧誘が出てくる可能性があります。

参考:読モ・アイドルの悪質勧誘相次ぐ 登録料など高額請求

モデルの勧誘トラブル!写真撮影に10万円の請求!?

gahag-0069715258-1プロダクションと結び付きがあると甘い言葉をかけ、紹介料を取るなどというような悪徳業者が出ないとも限らないので、プロダクション側がそのような商法に対する注意喚起や啓蒙活動は絶対に行う必要がでてきます。また、みなし公人として認識される機会が増えるため、プライバシーの配慮が行き届かなければ所属しているユーザーの不幸につながります。今回のワタナベアマダクションに限らず、既にYouTubeを中心とした活動をしている人が所属する芸能事務所は多数設立されています。(参考:https://www.uuum.jp/)しかし、既に悪徳事務所などもあるそうなので、そうしたトラブルにネットユーザーが多く触れるようになってしまうのは問題です。ゲーム実況が盛り上がることによって、ゲーム業界も盛り上がると思います。しかし、ユーザーの不安要素を十分に消す努力は必要不可欠です。

 

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