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2016.04.13 ​ ゲーム業界 eスポーツ 遊びについて深く考えよう カイヨワ著「遊びと人間」はおすすめ

2016-04-13 11.32.46遊びとは何か

「スポーツ」と「遊び」は表裏一体です。そして「ゲーム」と「遊び」も表裏一体です。ラクジョブ新人山崎は、過去に「ゲーム=遊び」という認識から、「ゲーム=スポーツ」という認識に変えなければeスポーツ振興は測れない!という記事を書かせていただきました。今朝、ロジェ・カイヨワというフランスの社会学者が書いた『遊びと人間』という本を読みました。とても良い本だったので、ゲームや遊びについて考える際の良い資料になるかと思います。今回はこのロジェ・カイヨワ『遊びと人間』の中に登場する遊びの定義と遊びの類型の話をベースに、「ゲーム」と「スポーツ」と「遊び」という3つの要素を結びつけ、eスポーツを振興させるのに参考になりそうな情報を提供させていただこうと思います。

ロジェ・カイヨワの遊びの定義は、ヨハン・ボイジンガの『ホモ・ルーデンス』による批判的な視点によって定義付けられました。カイヨワの定義を簡単にまとめると、遊びとは「1.自由であること、2.隔離された活動であること、3.未確定の活動であること、4.非生産的活動であること、5.規則をもった活動であること、6.虚構の活動であること」となります。そして遊びの根源的な要素には、「競争(アゴン)」「運(アレア)」「擬態(ミミクリ)」「眩暈(イリンクス)」があるとしています。ここで遊びの4大要素について、詳しく説明しましょう。

2016-04-13 11.36.52遊びの4大要素

「アゴン」は競争です。どれだけ息を止め合うことができるかというシンプルなものから、鬼ごっこやかくれんぼなど、勝者と敗者、またはその活動を行うことによって、結果的に優劣が生じるものです。スポーツ一般はこれに分類されます。「アレア」は運です。ルーレットや競馬、競艇など、その活動を行っている人々ではないランダム性を持つ別の要因で平等に結果が左右される活動です。「ミミクリ」は擬態です。ごっこ遊びや、スポーツ観戦などで選手に同調する観衆などにも当てはまります。「イリンクス」は眩暈です。知覚を崩壊させることで、一種の朦朧状態やパニック状態などを楽しむ行為で、ブランコやメリーゴーランド、村祭りの踊りなどがこれに当たります。ジャンルによっても違いますが、対戦アクションやFPS、またはファミコン時代のシンプルでスコアアタックなどで友達と競うようなゲームなどは「アゴン」的であり、RPGなどは「ミミクリ」的なや、恐怖心を煽って「イリンクス」的な要素をつかって状態にプレーヤーに臨場感を与えます。「アレア」はどういうゲームが当てはまるでしょうか。どうぶつの森などでレアな魚がゲットできるかということは…当てはまるのでしょか?

Fotolia_68676138_Subscription_Monthly_Mアゴン(競争)とゲーム、スポーツの関係

さて、今までラクジョブ新聞で「ゲーム=遊び」を「ゲーム=スポーツ」にしよう!と訴えかけてきた山崎ですが、カイヨワ的視点にたつと、ゲームもジャンルによっては「アゴン」に分類できます。『遊びと人間』の中では、アゴンの代表的な例として、遊びであるという前提の中でスポーツが挙げらていました。ソクラテスの三段論法は今では無理があるかと思いますが、「ゲーム=遊び」「スポーツ=遊び」であるならば、「ゲーム=スポーツ」なのです。こんな回りくどいことを書かなくても、「ゲーム」本来の言葉の意味は「競技、試合」ですし、それがデジタル空間上で行われているだけなのでありますから、デジタルゲームは立派なスポーツであるという認識が生まれても良いはずです。取っ組み合いや規則のない競争行為と比べても、ゲームにはそもそもルールがあります。身体性で言えば瞬発力や反射神経、状況把握能力など脳の機能を駆使します。既存の価値観を払拭するには、抽象的視点からゲームを捉え直し、それを周囲に伝えていく必要もあるのではないでしょうか。

image-14-330x226eスポーツはそれぞれの遊びの要素が絡み合う

eスポーツが振興していくことによって、遊びの要素が次々と結びついていきます。アゴン(競争)と結びつきやすい遊びの要素はアレア(運)です。アゴンは規則のもとにおいて参加者を平等に扱いますが、アレアは運命の名の下に参加者を平等にします。この運命とはすなわち競争の勝敗結果であり、競輪や競馬のように「賭け事」と結びつきますから、健全な運営ができればより良いエンターテイメントとして周知されるでしょう。ミミクリ(擬態)も結びつきます。サッカー観戦などにおけるサポーターや熱狂的なファンは、選手のユニフォームをつけ、チームの1員としての意識を高めます。eスポーツも将来的には、選手と同調するファン層が現れるでしょう。イリンクス(眩暈)はスーパープレーや白熱した試合展開などを観戦していると出てくるパニック状態や朦朧とした状態として現れてきます。スポーツの大会というのは、カイヨワが提唱した遊びの4大要素が、それぞれ独立して絡み合ってきます。独立して絡まるということは、4つの抽象的な「遊び」としての楽しみ方が存在するということになるのではないでしょうか。eスポーツビジネスに興味がある方は、ぜひ「遊び」そのものに目を向けてみてください。その際に、ロジェ・カイヨワの『遊びと人間』という著作はとても参考になりますので、一読してみてください!

IMG_0066-1-e1459754298544-96x96e-Sports交流会に関心あるアニメゲームマンガ業界の方々へ

新人ですが、山崎はラクジョブを運営するビ・ハイアでe-Sports振興に関心のあるアニメゲームマンガ業界経営者の方々限定で交流会を開きたいと思っています。詳しいことはまだ決まっておりませんが、ラクジョブ新聞かメールの方で、詳細が決まりましたら連絡いたします。現段階でご興味がある方は、下のメールフォームからご連絡ください。

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