最近遊技機映像制作会社がアニメ制作を行ったり、ゲーム開発映像制作を行ったりすることが増えています。今回は、遊技機映像制作会社が何を考えて、何を目指しているのかをお話します。遊技機映像制作会社の方は同業他社の動きとして、他業界の方は遊技機業界の動向として、読んでみてください。
遊技機映像制作の仕事は旨味が多い
すでに去年くらいからの傾向なのですが、遊技機業界の規制の影響で、開発がストップしたり、開発が再開してもまた止まったり、企画がお蔵入りになったり、新規の立ち上がりが遅くなったり、発注が小口になったりしていています。もちろん、メーカーや一次請けの遊技機開発会社もわざと意地悪でそうしているわけではありません。遊技機(パチンコ・パチスロ)の開発は、企画からホールに台が並ぶまで2、3年かかります。1台あたりの開発予算も数億円、10億円以上かけて作られます。プロジェクトが頓挫する可能性、台が売れない可能性もある中、それだけのリスクを負えていたこと自体、考えてみればすごいことです。
だからこそCG映像制作会社にとって、遊技機映像制作会社にとって、遊技機のCG映像制作は旨味のある仕事でした。短期間の制作案件が大半な中で2、3年、映像制作だけで考えても1年以上ラインを安定して稼働させられる、しかも人月単価もアニメやゲーム系よりも利益が多いその分クオリティも求められましたが、一度信頼を得られればリピートにも繋がりやすい、表には制作実績の名前を出せないだけで遊技機関連のCG制作を手がけている会社は多くありました。企業HPの会社概要を見ると、事業内容に「遊技機」の文字があるCG制作会社は散見されます。
遊技機映像制作会社に迫る危機
しかし、その遊技機の仕事も去年あたりから少なくなり、各社とも対応を求められました。事業規模を縮小する会社、人員を削減する会社、遊技機業界から撤退する会社、倒産を余儀なくされる会社など様々ありました。アニメ制作やゲームグラフィック制作を受ける会社が増えたのもその流れからです。そもそも遊技機系の映像制作を手がけるようになった会社も、元々はアニメ系の映像制作やゲームのグラフィック制作を手がけていた会社が多かったことを考えれば、そんなに不自然なことではないでしょう。
また、遊技機系の映像制作を専門に手がけていた映像制作会社も、遊技機以外の業界の仕事も考えざるをえなくなりました。そこからもアニメ系やゲーム系の知り合いを増やしたいというニーズも増えています。弊社で開催しているアニメゲーム漫画業界の経営者限定の交流会にも、遊技機関係の会社様から参加希望のご連絡をいただいています。また、これまで遊技機系の仕事ばかりだったという会社様にもアニメゲーム系の会社様をご紹介したりもしています。
確かにCG映像制作会社にとって、遊技機関連のCG映像制作は旨味の多い仕事でしたが、その一方で遊技機関連の仕事にかかりきりになってしまう会社も少なくありませんでした。それは遊技機業界と映像制作会社の両方にメリットのある関係でしたが、アニメ系やゲーム系の仕事を受けたがらない会社も増えていました。どうしてもアニメゲーム系の仕事は、遊技機に比べて予算もスケジュールもタイトです。会社もスタッフも疲弊しがちです。アニメ業界の離職率の高さからもそのことは伺えるかと思います。
しかし、遊技機系の仕事が減り、CG映像制作会社は様々な制作に手を広げ始めています。弊社のよく知るアニメ業界、ゲーム業界以外にも、VRやプロジェクションマッピング、PV制作、CM制作など、CGが活用される場面は多岐に渡ります。近年、フル3Dアニメや3Dのスマホゲーム、プロジェクションマッピングが増えていることには、CG映像制作会社の営業努力がその裏にあるようにも思えます。また、「Oculus Rift(オキュラスリフト)」や「PlayStation®VR」で話題になっているVRにも3DCGは多分に使われており、すでにシェアが固まっているアニメやゲーム系ではなく、VR関連のCG制作の市場開拓を狙う会社も多く、話題性や期待を高めるのに一役買っています。
当の映像制作会社からすれば、経営問題ですから只事ではないでしょうが、ビ・ハイアでは、CG制作会社へ各業界の企業及び案件の紹介もしています。アニメやゲーム、VR、プロジェクションマッピング、PV、CMなどへ事業の拡大を考えている方はぜひ一度ご連絡下さい。腕のいい外注先、協力会社をご紹介させていただきますので、繋がりを増やして、仕事につなげて、良い作品が世に出るようお手伝いさせていただきます。