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2015.12.18 美大・芸大出身の新卒人材はアニメゲームマンガ業界にどれだけ来るのか調べてみた?

おいお前!お前は美大出身だな?!明日から働いてくれ!

おいお前!お前は美大出身だな?!明日から働いてくれ!

こんにちは、ラクジョブ運営の榊原です。

ラクジョブを運営していく中で、様々な企業の採用担当者とやり取りをしていますが、アニメ会社、ゲーム会社からよく聞く要望が「美大出身の人がいい」です。美大出身の場合、大学のカリキュラム上デッサンをしっかり行うため、美術の基礎ができています。そのため入社後の教育期間が短くて済むことから美大・芸大出身の新卒ニーズが高まっているのです。その一方でアニメゲームマンガ業界に進路を決める美大・芸大生はどれくらいいるのでしょうか?

まず日本での大学の卒業生は、平成26年度で544,750人(文部科学省 学校基本調査)、そのうちで芸術系の大学、美術大学や芸術学部を含んだ大学は全国で93校あります。美術系の大学卒業生は16,045人、その中でさらに「美術」「デザイン」の学科として卒業した学生は、6,222人になります(文部科学省 卒業後の状況調査)。そんなにいるなら・・・!と思うかもしれませんが、その全員がアニメやゲーム業界を目指すとは限りません。彼らが実際どの程度、アニメやゲーム業界に就職しているかを数社ピックアップしてみました。

東京芸術大学、卒業生115名中 4名
武蔵野美術大学 卒業生1227名中 115人
多摩美術大学 卒業生950名中 119人
(平成26年度) 

一例:武蔵美術大学の進路グラフ。

一例:武蔵美術大学の進路グラフ。

でした。だいたい卒業生のうち、5%から15%の間でアニメやゲーム会社に就職しているという状況でした。なので見積もりとしてはだいたい300名から900名くらいが毎年、アニメやゲーム業界に就職していることになります。さらに言えば、就職先に関しても、マッドハウス、任天堂やSEGAなどアニメ業界、ゲーム業界屈指の大手企業ばかりでした。なので、ほぼほぼ大手の会社の方で、就職が決まってしまっている状況ではないでしょうか。

今度は美術大学生の就職率の観点から見てみましょう。

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芸術系大学出身者と労働 喜始照宣(日本労働研究雑誌より 2014年発行)
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2014/04/pdf/050-053.pdf

この資料に基づくと美術系の大学の卒業生に対する就職先の決まった人の割合は平成25年度でだいたい4割ぐらいです。では正規雇用できなかった人がどのようにしているのかというと、「芸術系学科の場合,大学院等進学者(10%程度)や,次項で見るような芸術家/フリーランスでの活動を希望する者の割合は高い」(同出典)ようです。「フリーランス」と一言で言っても、最初からフリーランスのつもりで働いた人だけでなく、就職活動の結果やむをえずフリーランスの道を選んだ人もいます。そして最近では、下記のように美大の中でも進路先に関するニーズの変化がでてきています。以下はまた「芸術系大学出身者と労働」からの引用です。

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美大ではこれに変化が生じている。ひとつが,フリーランス志望,特にイラストレーターの仕事を希望する女子学生の多さであり,デザイン系でも「デザイナーになる」ではなく「絵が描きたい」を理由に入学する学生が増加傾向にある。だが,従来から作家やフリーランス志望者への支援は主に実技系教員に任されていたため,就職課は新たなニーズの高まりに応じた支援の方向性を模索している。そして,もうひとつが,作家志望の減少と就職希望の増加である。この背景には,保護者の就職に対する不安を伴った関心の高まりがあり,就職とは縁遠いと思われる美術系学科の人気低下が近年目立っている。これによって作家志向の文化が衰微するとは思われないが,強く作家にこだわらず, 広く美術に関連する分野での就職を志望する学生の割合は,今後も次第に高まっていくだろうと予想される。こうした状況の下,教員も実技面でのサポートだけでなく,学生への「就職」指導も重要な仕事の1つとして,積極的に取り組む必要性を感じており,職員と教員の連携による学生のキャリア支援の充実が,美大ではこれまで以上に課題となっている。(同出典)

もともと就職志向ではない芸術大学、美術大学の学生達だった

もともと就職志向ではない芸術大学、美術大学の学生達だった

この引用文からもわかるように、もともと美大は学生の将来の姿を芸術家やフリーランスを主体に考えており、それも指導教員に委ねていたため、最近のこのようなニーズの変化に就職課もまだまだ対応できていないのが実情のようです。一方でフリーランス志望の女性デザイナーの増加や、親御さんの就職に対する不安、就職に対するニーズの高まりは、今後、アニメ・ゲーム業界の美大生のニーズに対してはプラスに働くでしょう。逆に言えば、今のうちからコツコツと美大との関係を積み上げていけば、美大生の獲得もそう難しいものではなくなるかもしれません。

あとの懸念材料としては、美術大学側で、アニメやゲーム業界に関してのある程度の知識と会社数を集めったときです。いくら、関係性ができていたとしても、ある程度の会社数になってしまった場合、より魅力のある会社を選んでしまうからです。そんな時のためにも、今のうちから、自社の魅力や独自性、誇れる実績などなど、他の企業と差別化できるところをしっかり把握していることが重要となってきます。

若いアーティストの芽を大事にしましょう!

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