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2016.03.15 マンガ 「少年チャンピオン」電子版から見る今後のマンガ市場

コミック誌「週刊少年チャンピオン」を発行している秋田書店は、10日に同コミック誌の電子版を本日15日から配信するということを発表しました。そのことに触れつつ、今後のマンガ業界に関して書かせていただきます。

「少年チャンピオン」電子版、15日から配信 秋田書店」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160310-00000058-asahi-soci

スクリーンショット 2016-03-15 11.45.41

引用始め
秋田書店は10日、渡辺航さんの「弱虫ペダル」などを連載している「週刊少年チャンピオン」の電子版を15日から配信すると発表した。同社がコミック誌の電子版を配信するのは初めて。
引用終わり

秋田書店での電子版のコミック誌の配信は今回が初めてになりますが、他にも集英社の「週刊少年ジャンプ」講談社の「モーニング」「週刊少年マガジン」などは配信されています。今回の「少年チャンピオン」に関しては、もともと毎週木曜に紙媒体で発売されておりますが、電子版は、木曜に発売された号を翌週の火曜に配信するというものです。配信時期は若干後にはなりますが、価格としては、10円安い260円(税込)とのことです。

20151119173739紙のコミックス、コミック誌の推定販売金額推移

現在の漫画市場はどうなっているのかについてだが、現状、漫画業界は、市場規模が縮小傾向にあります。そして、その要因がコミック誌です。コミックスのような単行本関連が2500億円程度で、20年ほど推移する一方で、コミック誌に関しては、1995年をピークに減少し続けています。その影響もあり、市場規模は、約20年前の6割程度になってしまっています。

comic3電子マンガ市場の傾向は?

一方で、電子マンガの市場はどうなっているでしょうか。電子マンガは、2000年の初めに登場し、最初は、パソコンやガラケーなどで販売されていました。ただ屋外で見れなかったり、小さい画面でしか読めないため、一コマずつ動かしたり、マンガのコマ割りによっては、非常に見づらいという難点がありました。しかし、ガラケーがスマートフォンになったり、Amazonの「Kindle」のような書籍用のタブレット端末の販売によって電子書籍の市場規模はどんどん拡大していきました。それによって電子マンガの市場もどんどん拡大して行っています。2002年の市場規模が、8億円に対して、2014年には1012.8億円にも達し、マンガ市場全体の20%ほどを占める規模になってきております。

引用元 『電子書籍ビジネス調査報告書2015』および『出版月報2月号』より、試算して作表

Internet digital web media and business office communication concept: tablet PC computer and touchscreen smartphone with business web news media isolated on white background

電子コミック誌のメリット

今回のコミック誌の電子版は、今後のマンガ業界にとって大きな変化をもたらすのではないでしょうか。コミック誌の最大の難点が数百ページにも及ぶページ数による分厚さです。それによって持ち運びしづらく、保管もしづらいです。よく廃品回収などでコミック誌の山になっていることはよくあります。一方で電子版の場合であれば、配信は遅いものの、タブレット端末の厚さ程度で治りますし、容量次第で何号も保管することが可能です。そのため、奇特な人は、早く読むために、コミック誌を買い、保存のために電子版を買うという方も出てくるかもしれません。

また、大量の印刷が必要となるコミック誌の場合、どうしても発行部数は制限されてしまいます。そのため、大人気コミックスが連載を終了する号に関しては大概、各店舗からそのコミック誌はなくなります。例えば「鋼の錬金術師」の連載が終了した際は、即、どこの店舗からも消えて買えなかったという人が多くいたのではないでしょうか。電子版があるのであれば、遅れながらもその号を読むことができます。そしてもしかすると号を遡って購入するという方もいるかもしれません。

shutterstock_323189894逆に配信期間の設定にもよりますが、オンラインであればどこでも購入が可能、どこでも読むことが可能ということは、コミック誌で完結してしまう場合があります。そのためコミックスへの影響がどのようになっていくかは今後も見守っていく必要があります。しかし、今のこのコミック誌の現状を見る限り、購読者の利便性を上げることは重要です。コミック誌は、マンガにとって最も早くユーザーにマンガを届ける媒体です。活用によっては、コミックスにも帰ってくるものです。そのためにもユーザーのライフスタイルにあった販売方法が今後も見つかっていくといいと思います。

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